D1ストリートリーガル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
検索に移動

D1ストリートリーガル(ディーワンストリートリーガル、D1 STREET LEGAL)は、2005年から2016年まで行われていた、主にドリフト走行によって競われるモータースポーツの一カテゴリー。全日本プロドリフト選手権(D1グランプリ)の下位カテゴリーとして開催されていた。略称はD1SL

自動車メーカーのワークス参戦を禁止し、また以前は参加車両には車検の取得を義務付ける事だったが、2010年からは車検取得の義務が無くなった。

初年度の2005年は試験的な実施のため「過去にD1グランプリ出場権利を保有していたことがある選手」にエントリー資格を絞っていたが、2006年からはストリートリーガル単独開催のみエントリー資格の制限を外し誰でも参加可能とし、よりD1グランプリのステップアップカテゴリーとしての色彩を鮮明にした。ただ参加者のさらなる増加の結果、その後は「D1GPもしくはD1SLライセンス保持者」に参戦資格を限定した(詳細は全日本プロドリフト選手権#出場条件を参照)。

D1 DIVISIONAL SERIES(地方戦)、D1レディースリーグなどの下位カテゴリーについても本記事で扱う。

カテゴリー構成[編集]

D1SLシリーズ

D1GPの直下に位置するシリーズ。出場にはAライセンス以上のライセンスが必要だが、D1スーパーライセンス所持者の出場は不可。2015年は全6戦で争われた。シリーズ上位30名は、11月に開催される「SL統一全国大会」への出場が可能。

D1SL 東日本・西日本

D1SLシリーズの下位に位置するシリーズで、2010年より発足。出場にはBライセンス以上のライセンスが必要。2015年は東西とも各3戦ずつで争われた。各シリーズ上位10名は「SL統一全国大会」への出場が可能。

D1 DIVISIONAL SERIES

いわゆる「地方戦」。D1全体のピラミッドの中で最も下に位置するシリーズで、ルーキー講習会を受講してD1Eライセンスを取得すれば出場可能(逆にD1GPライセンス保持者の出場は不可)。2015年は6シリーズが開催された。2010年より、各シリーズのポイントランキング10位以内の選手には「地方戦全国大会(MSF SHOOTOUT)」の出場権が与えられた。地方戦全国大会で3位以内に入ると一気にGPライセンスが取得できる。

なおDIVISIONによっては、地方戦クラスの下にさらに「ビギナークラス」を設けているケースもある。ビギナークラスについてはDIVISIONによって必要な参戦資格が異なることがあるので(「運転免許所持者なら誰でも参戦可」としているところもある)、参加の際は事前に各DIVISIONの主催者に確認することが推奨される。

D1レディースリーグ

読んで字のごとく、ドライバーを女性に限定したシリーズ。2010年より発足。出場資格はD1E以上のライセンスとなっており、地方戦同様ルーキー講習会を受講するだけで参戦できる。2015年は全6戦で行われた。

D1GPとの車両レギュレーションの違い[編集]

ボディモノコックの大幅改造以外が認められているD1GPに比べると、大幅に改造内容が制限されている。

エンジンスワップの制限
基本的に形式ラインナップ内のエンジンまでに制限される。具体的にはS15型シルビアSpec-S改Spec-R仕様(SR20DESR20DET)は許可されるが、他形式、他メーカー、異なる気筒数のエンジンを搭載するのは許可されていない(4A-G→SR20、RB20→SR20など)。ただし、同形式の排気量アップ(RB20→RB25・RB26、1JZ2JZなど)、特例としてCA18→SR20、3A-FE→4A-Gの変更は認められている(改造公認車検の所得が条件である)。
2006年シーズンまでは同形式の排気量アップも認められておらず、HCR32型スカイラインGTS-tRB26DETTを積むのは許されていなかった(そのため2005エキシビジョンでは、Bee☆RがあえてHCR32でなく、BNR32改2WD仕様を使っていた)。
しかし2011年より規定が改定され、エンジンスワップを行った車両での参加も可能(ナンバー付き車両の場合は要構造変更、既に抹消済み車両の場合はエントリー時にエンジンルームと下回りの写真を提出、新規で製作する場合は事務局に申請書を出し、製作途中及び完成時に資料を提出することが義務化されている)となった。ただしボディの切除はレギュレーション上禁止されている為、このような加工を伴うようなエンジンスワップは不可能である。
ボルトオンターボスーパーチャージャーの装着は認められている。実際に300ps申告をしているハチロク(ボルトオンターボ)や、1000ps申告をしているアリスト(ツインターボに、さらにNOSを使用)が存在している。これらのものを装着した場合はマシンスペック申告用紙に各種過給装置の詳細を記載しなければならない。なおナイトラス・オキサイド・システム(NOS)は2014年より使用が禁止された。
近年はD1GP同様にハイパワー化が進んでおり、上位に入る車両の大半がエンジン本体にも手を加えた400馬力オーバーの車両が殆どである。レギュレーション上触媒装着とウエイストゲートの排気戻しが義務化されており、それによる排気抵抗から来るタービン等へのダメージの蓄積を少しでも避ける為に、触媒の取り付け位置を純正位置よりも後方にする等の工夫がなされるなどD1GP車両とは違う工夫も見られる。
メーカー車の標準装備(トヨタ自動車MR-S等)以外のシーケンシャルミッションの使用禁止、安全タンクの使用禁止
両者ともに改造価格が非常に高額になってしまう事と、ストリート仕様とかけ離れるため。ただしS13型及びS14型シルビアにS15型シルビア用の6速ミッション(純正品をベースとして強化されたニスモ製等)や、1JZ搭載車へのJZA80スープラ純正のゲトラグ製6速ミッションの流用装着などは認められている。
内装、ドアのフルオリジナル化、オーディオ取り付けの義務化、6点式ロールケージ+サイドバーの取り付け義務、ロールケージパッドの取り付け義務
これもストリート仕様遵守のため。ただしドアとロールケージのサイドバーが干渉する場合には、その部分の内装除去が認められている。ロールケージはD1GP同様にTボーンクラッシュや横転の危険があるため、それに対する予防。ロールケージパッド装着義務については、安全対策の他にも、パッドが無い場合は車検に通らないためである。また、ロールケージによって後部座席の空間が確保出来ない場合には、2人乗車で改造車検を取る必要がある。

関連記事[編集]

  • 2006年度、セキアヒルズDECサーキットにおいてD1グランプリ、D1ストリートリーガル共に開催史上初となるFF車ホンダ・シビック(EG6)が吉村琢也選手によって本戦出場を果たしている(出場カテゴリーはD1ストリートリーガル)。
  • 2006年度第7戦、セキアヒルズDECサーキットにおいて、相田幸夫選手が開催史上初となる軽自動車、スバル・レックス(KH3)によって本戦出場を果たしている[1]
  • 最高齢出場者はDaiの59歳。そして最高齢優勝者は岡村和義選手の47歳。
  • 最年少出場者は16歳の現役高校生・金岡真矢選手。特例で出場を認められた[2]
  • 2016年11月20日、最終戦(第6戦)で練習走行していた車両のタイヤが外れ、スポッターの女性に直撃し搬送先の病院で死亡する事故が発生した[3]。主催者はその後行われる予定だった決勝の開催を中止し、チケット代金を返金する処置をおこなった。事故を受け、以降の開催は休止されたため、この最終戦がD1SLとしての最後の大会となった。
  • 2017年12月5日、D1SLに代わる新シリーズとして「D1 LIGHTS(ディーワンライツ)」の発足が発表された。上記事故から1年2ヶ月後の2018年1月20日に「プレシーズンマッチ」(栃木県・日光サーキット)が開催され、同年5月26日・27日にシリーズ第1戦(新潟県・日本海間瀬サーキット)が開催された。
  • 2020年の開幕戦(名阪スポーツランド)は3月28・29日で予定していたが新型コロナウイルスの影響で2週間後の4月11・12日に、同時にCコースからEコースへ変更された。

過去の総合優勝者[編集]

  • 第1回大会(2006年) - 萩迫貴史 - 車両:日産・シルビアPS13
  • 第2回大会(2007年) - 松川和也 - 車両:日産・180SXRPS13
  • 第3回大会(2008年) - 末永直登 - 車両:日産・シルビア(PS13)
  • 第4回大会(2009年) - 中村直樹 - 車両:日産・シルビア(S15
  • 第5回大会(2010年) - 中村直樹 - 車両:日産・シルビア(PS13)
  • 第6回大会(2011年) - 田中省己 - 車両:日産・シルビア (PS13)
  • 第7回大会(2012年) - 横井昌志 - 車両:日産・シルビア (S14
  • 第8回大会(2013年) - 北岡裕輔 - 車両:トヨタ・マークII (JZX100
  • 第9回大会(2014年) - 中村直樹 - 車両:日産・シルビア(PS13)
  • 第10回大会(2015年) - 北岡裕輔 - 車両:トヨタ・マークII (JZX100)
  • 第11回大会(2016年) - 植尾勝浩[4] - 車両:日産・シルビア(S15)
  • LIGHTS 第1回大会(2018年) - 石川隼也 - 車両:日産・シルビア(S14)
  • LIGHTS 第2回大会(2019年) - 目桑宏次郎 - 車両:日産・シルビア(PS13)

スケジュール・優勝者(SL、LIGHTSのみ)[編集]

2005年[編集]

2006年[編集]

2007年[編集]

2008年[編集]

  • Round1(4月13・14日) エビスサーキット南コース - 末永直登-日産・シルビアPS13
  • Round2(5月24日) 鈴鹿サーキット - 末永直登-日産・シルビア(PS13)
  • Round3(6月28日) 岡山国際サーキット - 中村直樹-日産・シルビア(S15)
  • Round4(8月30日) エビスサーキット南コース - 末永直登-日産・シルビア(PS13)
  • Round5(9月20・21日) 日本海間瀬サーキット - 軸屋清文-日産・シルビア(S15)
  • Round6(10月15・16日) DECセキアヒルズサーキット - 末永直登-日産・シルビア(PS13)
  • Round7(12月14日) 筑波サーキット・コース2000 - 末永直登-日産・シルビア(PS13)

2009年[編集]

  • Round1(4月11・12日) 備北ハイランドサーキット - 軸屋清文-日産・シルビア(S15)
  • Round2(6月13・14日) エビスサーキット南コース - 中村直樹-日産・シルビア(S15)
  • Round3(7月10・11日) 日光サーキット - 中村直樹-日産・シルビア(S15)
  • Round4(9月21・22日) 日本海間瀬サーキット - 中村直樹-日産・シルビア(S15)
  • Round5(11月7・8日) エビスサーキット西ドリフトコース - 軸屋清文-日産・シルビア(S15)
  • Round6(12月5日) エビスサーキット西ドリフトコース - 横井昌志-日産・シルビア(S14)

2010年[編集]

  • Round1(4月17・18日) 備北ハイランドサーキット - 軸屋清文-日産・シルビア(S15)
  • Round2(5月8・9日) エビスサーキット南コース - 手塚強-日産・スカイライン(ER34)
  • Round3(7月10・11日) 鈴鹿サーキット - 中村直樹-日産・シルビア(PS13)
  • Round4(9月4・5日) エビスサーキット西ドリフトコース - 田中裕司-日産・シルビア(S14)
  • Round5(9月25・26日) 日本海間瀬サーキット - 佐久間達也-日産・180SX(RPS13)
  • Round6(10月9・10日) 日光サーキット - 中村直樹-日産・シルビア(PS13)

2011年[編集]

  • Round1(4月16・17日) 備北ハイランドサーキット - 軸屋清文-日産・シルビア(S15)
  • Round2(5月28・29日) 日本海間瀬サーキット - 横井昌志-日産・シルビア(S14)
  • Round3(7月2・3日) 日光サーキット - 軸屋清文-日産・シルビア(S15)
  • Round4(8月27・28日) 鈴鹿サーキット - 田中省己-日産・シルビア(PS13)
  • Round5(9月17・18日) エビスサーキット南コース - 軸屋清文-日産・シルビア(S15)
  • Round6(10月29・30日) 名阪スポーツランド - 田中省己-日産・シルビア(PS13)

2012年[編集]

  • Round1(4月7・8日) 備北ハイランドサーキット - 脇敬朗-日産・シルビア(S15)
  • Round2(5月19・20日) エビスサーキット南コース - 北岡裕輔-トヨタ・マークII(JZX100)
  • Round3(6月16・17日) 名阪スポーツランド - 横井昌志-日産・シルビア(S14)
  • Round4(7月14・15日) 瀬戸内海サーキット - 寺町邦彦-日産・シルビア(PS13)
  • Round5(9月1・2日) 日本海間瀬サーキット - 寺町邦彦-日産・シルビア(PS13)
  • Round6(10月27・28日) 日光サーキット - 村山悌啓-日産・シルビア(S14)

2013年[編集]

  • Round1(3月30・31日) 日本海間瀬サーキット - 藤野秀之-日産・180SX(RPS13)
  • Round2(5月18・19日) 備北ハイランドサーキット - 濱田清文-トヨタ・マークII(JZX90)
  • Round3(6月22・23日) エビスサーキット南コース - 小橋正典-日産・シルビア(PS13)
  • Round4(8月17・18日) 瀬戸内海サーキット - 平島明-日産・シルビア(PS13)
  • Round5(10月5・6日) 日光サーキット - 北岡裕輔-トヨタ・マークII(JZX100)

2014年[編集]

  • Round1(4月12・13日) 備北ハイランドサーキット - 中村直樹-日産・シルビア(PS13)
  • Round2(5月10・11日) 日本海間瀬サーキット - 小野享之-日産・ローレル(C33)
  • Round3(6月7・8日) 瀬戸内海サーキット - 中村直樹-日産・シルビア(PS13)
  • Round4(9月6・7日) 名阪スポーツランド - 山元純次-マツダ・RX-7(FD3S)
  • Round5(10月4・5日) 日光サーキット - 中村直樹-日産・シルビア(PS13)
  • Round6(11月1・2日) エビスサーキット南コース - 中村直樹-日産・シルビア(PS13)

2015年[編集]

  • Round1(4月4・5日) 備北ハイランドサーキット - 北岡裕輔-トヨタ・マークII(JZX100)
  • Round2(5月30・31日) 日本海間瀬サーキット - 北岡裕輔-トヨタ・マークII(JZX100)
  • Round3(7月4・5日) 瀬戸内海サーキット - 北岡裕輔-トヨタ・マークII(JZX100)
  • Round4(8月22・23日) 名阪スポーツランド - 石川隼也-日産・シルビア(S14)
  • Round5(9月26・27日) エビスサーキット南コース - 中村健一-トヨタ・マークII(JZX110)
  • Round6(10月31・11月1日) 日光サーキット - 磯貝直弘-日産・シルビア(S14)

2016年[編集]

  • Round1(4月16・17日) 備北ハイランドサーキット - 植尾勝浩-日産・シルビア(S15)
  • Round2(5月28・29日) エビスサーキット南コース - 植尾勝浩-日産・シルビア(S15)
  • Round3(7月9・10日) 名阪スポーツランド - 石川隼也-日産・シルビア(S14)
  • Round4(8月20・21日) 日本海間瀬サーキット - 植尾勝浩-日産・シルビア(S15)
  • Round5(10月15・16日) 瀬戸内海サーキット - 今前田隆敏-日産・シルビア(S14)
  • Round6(11月19・20日) 日光サーキット - 事故のため中止

2018年(LIGHTS)[編集]

  • Round1(5月26・27日) 日本海間瀬サーキット - 齋藤大輔-日産・180SX(RPS13)
  • Round2(6月16・17日) 名阪スポーツランド - 高木美紀-日産・シルビア(PS13)
  • Round3(8月18・19日) 備北ハイランドサーキット - 石川隼也-日産・シルビア(S14)
  • Round4(9月29・30日) エビスサーキット南コース - 中村直樹-日産・シルビア(PS13)
  • Round5(11月30・12月1日) 日光サーキット - 中村直樹-日産・シルビア(PS13)

2019年[編集]

  • Round1(5月25・26日) 備北ハイランドサーキット - 野々英喜-日産・シルビア(PS13)
  • Round2(7月6・7日) エビスサーキット - 米内寿斗-日産・180SX(RPS13)
  • Round3(8月3・4日) 日光サーキット - 川島将貴-トヨタ・マークII(JZX100)
  • Round4(8月31・9月1日) 名阪スポーツランド - 高木美紀-日産・シルビア(PS13)
  • Round5(11月2日) オートポリス - 波紫聖和-日産・シルビア(S15)

脚注[編集]

  1. ^ 本来は単走の進入速度が時速100キロを超えないと追走はできないのだが、特例で追走が認められた。走りは審査員いわく「もしウェットコンディションだったら間違いなく表彰台まで登りつめてくる」といわしめたほどのテクニックを出していた。
  2. ^ フォーミュラ[要曖昧さ回避]の経験、D1SL地方戦で上位に入ったため。
  3. ^ [https://mainichi.jp/articles/20161204/k00/00e/040/119000c “ドリフト競技事故 タイヤ直撃の重体女性が死亡 宇都宮”]. 毎日新聞. (2016年12月4日). https://mainichi.jp/articles/20161204/k00/00e/040/119000c 
  4. ^ 第6戦中止のため、第5戦までの成績で決定した。
  5. ^ 決勝戦でのダブルクラッシュで両者走行不可能となったため、同時優勝というケースが取られた。