DICS

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DICSDieselcar Information Control Systemの略、ディクスと読む)とは、ディーゼル車情報制御装置のことで、新潟鐵工所が開発した鉄道車両のモニタ装置の一つ。車両の力行ブレーキ出区点検、車内空調管理、行先表示機車内案内表示装置などの各種車載機器を一括して管理するコンピュータシステムのことを言う。

「DICS」の名称を用いるのは東日本旅客鉄道(JR東日本)の車両のみで、西日本旅客鉄道(JR西日本)や第三セクター鉄道各社ではTICSTrain Information Control Systemの略、ティクスと読む)と呼ぶが、システムとしてはほぼ同じものである。

全車共通の特徴として、運転台モニタ表示機としてタッチパネル液晶ディスプレイを備える。

歴史[編集]

歴史としては比較的浅く2000年代前半からであり、新潟鐵工所2001年にJR西日本向けにキハ187系気動車およびキハ126形気動車を製造した際、運転操作指令等を従来の機械式制御方法ではなく、電車同様に一度全て電気信号に変換し、さらに周辺のセンサーや空調情報ともども全てデジタル化してシリアル伝送し、コンピュータで統括制御するシステムとして気動車版TIMSと呼ぶべきTICSを開発したのが最初である。

TICS誕生以前にも、1997年製造の北海道旅客鉄道(JR北海道)キハ201系気動車2000年製造のキハ261系気動車(いずれも製造は富士重工業)において力行制御や一部の出区点検を行うことは可能であったが、これは同時期に製造され、キハ201系と協調運転を行う731系電車の制御システムを流用したためで、気動車に特化したシステムという訳ではなかった。

シリアル伝送された情報はコンピュータを介し運転台のタッチパネル液晶ディスプレイに表示され、また乗務員もその画面を見ながらタッチパネルを通して直感的な操作が行える。空調管理の全自動化や、走行位置情報に基づく車内放送・車内案内表示装置の自動制御など、気動車の近代化・IT化・省コスト化に貢献した。

さらに同年、デジタル化の副産物として電車との部品共有化や車内引き通し線の大幅な削減による製造・保守両面のコスト削減により、新潟鐵工所製の軽快気動車(NDC)として初めて天竜浜名湖鉄道TH2000形気動車(のちにTH2100に改番)に採用した。これ以降、TICSは主に第三セクター鉄道向けに新造される軽快気動車の標準仕様となっていき、新潟鐵工所の経営破綻後は、同社の鉄道車両部門を継承した新潟トランシスが製造する気動車にも採用されている。

2003年肥薩おれんじ鉄道HSOR-100形気動車において、軽快気動車としては初となるワンハンドルマスコンを採用。TICSと直接の関係はないものの、これも制御をデジタル化することで電車と運転台部品を共有できたからこそ実現できた技術である。これとほぼ同じ仕様のものが2006年JR東日本キハE130系気動車においても採用された。

最新の車両ではオプション装備として、ワンマン運転時の運転士からの死角を補う上での車内監視モニタ機能も設定されている。

搭載車両[編集]

DICS[編集]

TICS[編集]

関連項目[編集]