DUNE (アルバム)

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L'Arc〜en〜Ciel > ディスコグラフィ > DUNE (アルバム)
DUNE
L'Arc〜en〜Cielスタジオ・アルバム
リリース
録音 1993年1月28日-2月21日
SAM STUDIO(#1~#10)
1992年1月
STUDIO WINDS(#11,#12)
1993年5月
STUDIO ICC(#13)
ジャンル ニュー・ウェーヴ
ゴシック・ロック
ロック
時間
レーベル Danger Crue Records
(HML-008)(初回特装盤)
(HML-009)(通常盤)
(DCCA-24)(10th Anniversary Edition)
プロデュース L'Arc〜en〜Ciel
大石征裕
チャート最高順位
  • 週間1位オリコンインディーズ)
  • 週間5位(10th Anniversary〜、オリコン)
  • 登場回数9回(10th Anniversary〜、オリコン)
L'Arc〜en〜Ciel アルバム 年表
DUNE
1993年
Tierra
1994年
『DUNE』収録のシングル
  1. Floods of tears/夜想花
    リリース: 1992年11月25日
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DUNE』(デューン)は、日本のロックバンドL'Arc〜en〜Cielの1作目のアルバム1993年4月10日に初回特装盤、4月27日に通常盤を発売。2004年4月21日には10th Anniversary Editionとして再発売。発売元はDanger Crue Records

解説[編集]

L'Arc〜en〜Cielの1枚目となるアルバム。制作当時はインディーズバンドとして大阪を本拠に活動しており、インディーズ時期にリリースされた唯一のアルバムとなる。

本作のレコーディング以前にも1992年に一度アルバムのレコーディング自体は行われていたが、メンバーがアルバムの出来栄えに納得できなかった為、そのアルバムの発売を取り止めている。その結果、録音を終えていたほとんどの楽曲がお蔵入りの憂き目となっている[1]。ちなみに、1992年にリリースされたシングル「Floods of tears/夜想花」は、アルバムレコーディングに費やした制作費の一部を埋める為にリリースされたものである[1]

アルバムタイトルの『DUNE』は英語で「砂丘」を意味している。アルバムタイトルを決めるにあたって、hydeは「砂漠って、何もない土地なのに物語がたくさん埋まってるようなイメージがあって。 このアルバムにはたくさんの物語があるからふさわしい言葉だと思った」「言葉の響きから受けるイメージって変わるから、"DESERT"では違うイメージになってしまったと思うんです[2]」と述べている。また、L'Arc〜en〜Cielのサウンドを表す総称として「PSYCHOSONIC SHAKE」というワードがCDジャケットに記載されている。この言葉はtetsuyaが考えたもので、「精神的に人の心の奥をくすぐるイメージ[3]」を意図して付けられた。

アルバム制作について、hydeは「聴いてて気持ちがいい、吸い込まれていくようなものを目指した[4]」、kenは「包み込む感じの音にしたいなっていう思いがあった[4]」と述べている。これには後述にあるように収録できる曲に限界があり、ハードな曲を集めたアルバムにできなかったことが背景にある。また、1993年1月28日からレコーディングを開始しており、sakuraが加入して直ぐに取り掛かっている。tetsuyaは「レコーディングを終えてみて思うのは、sakuraじゃなかったら、この短期間にレコーディングは出来なかったんじゃないかと思う[4]」と述べている。

収録曲について、hydeは「最初は『DUNE』を「I'm in Pain」や「No Truth」とかも入れてもっと攻撃的なアルバムにするつもりだった[5]」と語っているが、作曲を手がけた前ギターのhiro側から「自分の曲は収録しないでほしい」との申し出もあり、このアルバムには収録されなかった。また、本作にはhiroが原曲を手掛けた楽曲として「Shutting from the sky」と「追憶の情景」が収録されているが、hydeが「hiroの原曲に近いものはカットしてバンドアレンジし直した[6]」と述べるように、原曲からタイトル、曲構成、アレンジを変更し、作曲者のクレジットもL'Arc〜en〜Cielに変更された。

上記の事情からレコーディングできる楽曲に限りがあった為、kenがL'Arc〜en〜Cielに加入する前に制作していた楽曲を本作に急遽収録することとなった。kenは自身の楽曲が収録されたことについて、「急に決まって、昔の曲をほじくり出してきてって感じだったから、正直"いいんかな?"って思った[5]」「MTRでしか曲を録ったことがなかったから、それをレコーディング出来るってことが凄く嬉しかった[5]」と述べている。

1993年4月10日に特別仕様ジャケットの初回特装盤を通信販売のみで10,000枚限定でリリースした。この初回盤は再販されておらず中古で手に入れるのも困難で、一部では現在でも高値で取引されている。同年4月27日には、10曲目の「失われた眺め」を新たに追加した通常版がリリースされた。この通常版発売後、1993年5月10日付けのオリコン週間インディーズアルバムチャートで1位を獲得し、L'Arc〜en〜Cielのインディーズでの人気を表す結果となった。

また、同年10月21日にはアルバム収録曲の「Dune」、「Floods of tears」、「As if in a dream」の計3曲のミュージック・ビデオを収録したMV集『TOUCH OF DUNE』が1万本限定でリリースされている。

2004年4月21日にはメジャーデビュー10周年を記念し、インディーズ時代に限定で発売されたシングル曲「Floods of tears」(pero所属時に収録されたテイク)、「夜想花」、このアルバム発売後に発行された音楽専科社の音楽雑誌「SHOXX」の特典として付属していたCD『The Monster Of Shock Age』に収録された「予感」のボーナストラック3曲を追加し『DUNE 10th Anniversary Edition』として再発された。また、本作はジャケットが一新されている他、全収録曲が田中三一(Bernie Grundman Mastering)によりデジタルリマスタリングされている。

収録曲[編集]

初回特装盤[編集]

  1. Shutting from the sky
    この曲の原曲はhiro制作によるもので、歌詞の一部にも出てくる、閉所恐怖症の意味を持つ「Claustro phobia」というタイトルで披露されていた楽曲。
    原曲は比較的古く、結成当初からライブで何度も演奏されていた。アルバム収録にあたって何度もアレンジをし直し、作曲者をL'Arc〜en〜Ciel名義として完成された。hyde曰く「最初は広がりのない曲だった」という。
  2. Voice
    • 作詞:hyde / 作曲:ken / 編曲:L'Arc〜en〜Ciel
    kenがL'Arc〜en〜Cielのために初めて作った曲。活動初期のL'Arc〜en〜Cielでは頻繁に演奏されていた曲で、hydeは「本当の初めの1曲目は「I'm in Pain」ではなく、この曲かもしれない[7]」、tetsuyaは「この曲で何か吹っ切れたし、何か見えた、思い出の曲です[7]」と述べている。前曲から間奏を容れずに曲が始まる構成となっている。
    1992年2月21日に発売されたオムニバスアルバム『Gimmick』にL'Arc〜en〜Cielの初CD音源化楽曲としてこの曲が収録されているが、本作収録版とはテイク違いであり、ドラムを担当しているのは前ドラマーのperoである。また、『Gimmick』では表記が「VOICE」と、全て大文字表記となっている。
    余談だが、初代ドラマーperoの音源(先述の『Gimmick』収録バージョン)、2代目ドラマーsakuraによる『DUNE』収録のアルバムバージョンの音源、そして「15th L'Anniversary Live」、「20th L'Anniversary LIVE」、「25th L'Anniversary LIVE」などの映像作品に3代目ドラマーyukihiroによるライブ音源が存在しており、本作収録の「Floods of tears」と並びL'Arc〜en〜Cielに在籍したドラマー全員が演奏した楽曲となっている。
    2006年に行われたライブ「15th L'Anniversary Live」にてライブ「Kiss me heavenly deadly '96 REVENGE」以来約10年ぶりに披露された。
  3. Taste of love
    • 作詞:hyde / 作曲:ken / 編曲:L'Arc〜en〜Ciel
    kenがL'Arc〜en〜Cielに加入する前から趣味で制作していた楽曲。歌詞が妖艶でダークな曲で、イントロベースソロから始まる。
  4. Entichers
    • 作詞・作曲:hyde / 編曲:L'Arc〜en〜Ciel
    タイトルはフランス語で「迷い込む」という意味だが、動詞の原形である「enticher」に「s」がついていること、さらにhydeが曲中でその付加された「s」を発音していることなどで正しいフランス語とは言い切れない。ベースラインはスライド奏法を多用しており、tetsuya曰く「指が死んだ」。原曲名は「イリーゼ」であり、歌詞中にある「Entichers」が原曲では「イリーゼ」になっている。制作当初は曲調が激しい曲であった。
    2018年にhydeがsakuraとともに、自身主宰で開催したライブイベント「HALLOWEEN PARTY 2018」でセルフカバーしている。
  5. Floods of tears
    • 作詞:hyde / 作曲:tetsu / 編曲:L'Arc〜en〜Ciel
    インディーズシングル「Floods of tears/夜想花」の1曲目のアルバムバージョン。シングルバージョンとはアレンジが大きく異なるほか、歌詞が一部異なる。
    hyde曰く「雨が降っている感じで書いた」という。また、ミュージック・ビデオが制作され、MV集『TOUCH OF DUNE』に収録されている。
    先述の「Voice」と並んで、L'Arc〜en〜Cielに在籍したドラマー全員が演奏した楽曲である[8]
    2011年に行われたライブ「20th L'Anniversary LIVE」にてライブ「CONCERT TOUR '96~'97 Carnival of True」以来約15年ぶりに披露された。
  6. Dune
    • 作詞:hyde / 作曲:tetsu / 編曲:L'Arc〜en〜Ciel
    L'Arc〜en〜Cielの楽曲名がアルバムの表題曲となっているのは現在まで本楽曲のみである。本作収録以前は「Call for me」というタイトルでライブにて演奏されていた。
    曲の始めの掛け声は「With Dune」。作曲者のtetsuya曰く「2曲だったものを1曲にまとめた」という。「Voice」と同じく活動初期のL'Arc〜en〜Cielではライブの定番曲となっていた曲。ミュージック・ビデオが制作され、MV集『TOUCH OF DUNE』に収録されている。
    「Voice」と同じく、2006年に開催されたライブ「15th L'Anniversary Live」にてライブツアー「BIG CITY NIGHTS ROUND AROUND '96」以来約10年ぶりに演奏された。
    2015年にはtetsuyaがバンド結成当初のメンバーであるhiroとperoとともに、彼のソロライブ「CÉLUXE NIGHT」でセルフカバーしている。
    また、2019年にはtetsuyaとsakura、清春、中村佳嗣とライブイベント「中村佳嗣生誕五十年記念祭」にてセルフカバーしている。
    後に、パートチェンジバンドP'UNK〜EN〜CIELでリアレンジされ、34thシングル「DRINK IT DOWN」のカップリングに収録している。
  7. Be destined
    • 作詞:hyde / 作曲:ken / 編曲:L'Arc〜en〜Ciel
    kenがL'Arc〜en〜Cielに加入する前から趣味で制作していた楽曲。
    エデンの園の知恵の実を歌詞の題材にした楽曲で、曲中にhydeによる台詞が導入されている。
    hyde曰く「初めて面白い詞を書こうと思った。マジメにこんな事を考えてると思われたら困る」とのこと。
  8. 追憶の情景
    • 作詞:hyde / 作曲・編曲:L'Arc〜en〜Ciel
    この曲の原曲はhiro制作によるもので、タイトルは「Call to mind」だった。アコースティック・ギター中心としたバラードとなっている。
  9. As if in a dream
    • 作詞:hyde / 作曲:ken / 編曲:L'Arc〜en〜Ciel
    kenがL'Arc〜en〜Cielに加入する前から趣味で制作していた楽曲で、ken曰く「高速道路を走っているときの夜景だったり、そのときの気分を込めながら作曲した[9]」という。作曲のクレジットはkenであるが、初めてメンバー4人が意見を出し合って制作された楽曲である。作詞を担当したhydeも同様に、夜の高速道路イメージして歌ったという。
    hydeはかつて「L'Arc〜en〜Ciel史上最高の曲であり、これを超える楽曲は未だに作れていない[10]」と語っていたことがある。また、ロックバンド、GLAYのリーダー兼ギタリストであるTAKUROは本楽曲を聴き、「自らの目指していた世界だと感激した[10]」と語っており、「予感」、「winter fall」と共に、ラルクの中で好きな曲としてあげている[11]
    また、本作収録の「Floods of tears」、「Dune」と同様にミュージック・ビデオが制作され、MV集『TOUCH OF DUNE』に収録されている。
    コンサートツアー「TOUR heavenly '95」と単発コンサート「TOUR heavenly '95 final」以降、長らくライブで演奏されていなかったが、2011年に行われたライブ「20th L'Anniversary LIVE」とライブツアー「20th L'Anniversary TOUR」で約16年ぶりに演奏された。

通常盤[編集]

  1. Shutting from the sky
  2. Voice
  3. Taste of love
  4. Entichers
  5. Floods of tears
  6. Dune
  7. Be destined
  8. 追憶の情景
  9. As if in a dream
  10. 失われた眺め
    • 作詞:hyde / 作曲:ken / 編曲:L'Arc〜en〜Ciel
    ピアノによる弾き語りの曲。ピアノはkenが弾いており、ken曰く「最初はアルバムのためではなく、個人的な趣味で作った曲」。
    hydeはこの曲のレコーディング中、涙が出そうになったのをこらえながら歌ったという。
    また、この曲の歌詞は次作『Tierra』に収録された「瞳に映るもの」に繋がっており、時間軸ではこの曲が「瞳に映るもの」より後の情景となる[12]

10th Anniversary Edition[編集]

デビュー10周年記念として発売されたもの。オリジナル盤には収録されていないボーナストラック3曲の追加と、全曲デジタルリマスタリングが行われている。

  1. Shutting from the sky
  2. Voice
  3. Taste of love
  4. Entichers
  5. Floods of tears
  6. Dune
  7. Be destined
  8. 追憶の情景
  9. As if in a dream
  10. 失われた眺め
  11. Floods of tears (single version)
    • 作詞:hyde / 作曲:tetsu / 編曲:L'Arc〜en〜Ciel
    インディーズ時代に1000枚限定で発売されたシングル「Floods of tears/夜想花」の1曲目。
    この曲のドラムを担当しているのはperoである[8]。また、アルバムバージョンでは最後にあったオルゴール音が、最初に位置しているなど、アレンジが異なる。
  12. 夜想花
    • 作詞:hyde / 作曲:ken / 編曲:L'Arc〜en〜Ciel
    インディーズシングル「Floods of tears/夜想花」の2曲目。
    「Floods of tears (single version)」同様、この曲のドラムを担当しているのはperoである。
  13. 予感
    • 作詞:hyde / 作曲:ken / 編曲:L'Arc〜en〜Ciel
    音楽専科社の音楽雑誌「SHOXX」の1993年9月号に付属していたCD『The Monster Of Shock Age』に収録されていた曲。
    コーラス部分の歌詞は「Please look fixedly at me again」で、kenが英訳している。活動初期のライブでは、このコーラス部分はtetsuyaとsakuraが担当していた。
    2004年2月18日に放送されたラジオ番組『やまだひさしのラジアンリミテッドDX』でtetsuyaとTAKURO(GLAY)が対談した際に、「As if in a dream」、「winter fall」と共に、L'Arc〜en〜Cielの中で好きな曲であると公言したことがある[11]
    2004年に開催されたライブツアー「SMILE TOUR 2004」にて、ライブツアー「Kiss me deadly heavenly '96」以来8年ぶりに演奏された。

参加ミュージシャン[編集]

  • hyde: Vocal, Chorus
  • ken: Guitar, Keyboard
  • tetsu: Bass, Chorus
  • sakura: Drums(#1~#10,#13)
  • pero: Drums(#11,#12)
  • [Additional Musicians]
    • 清水賢治:キーボード(#11,#12)
    • 大石征裕:レコーディング、ミックス(#1~#10,#13)
    • Mr.KIMURA:レコーディング、ミックス(#11,#12)
  • [Produce & Mastering]
    • L'Arc〜en〜Ciel:プロデュース
    • 大石征裕:プロデュース
    • 中里正男:マスタリング
    • 田中三一:リマスタリング(10th Anniversary Edition)
    • 内田孝弘:リマスタリング(High-Resolution Audio)

収録ベストアルバム[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 『is』、p.52-p.53、シンコー・ミュージック・エンタテイメント、1996年
  2. ^ 『ロッキンf』、p.28、立東社、1994年8月号
  3. ^ 『ロッキンf』、p.23、立東社、1995年9月号付録
  4. ^ a b c 『ロッキンf』、p.50、立東社、1993年4月号
  5. ^ a b c 『is』、p.57、シンコー・ミュージック・エンタテイメント、1996年
  6. ^ 『is』、p.58、シンコー・ミュージック・エンタテイメント、1996年
  7. ^ a b 『ロッキンf』、p.24、立東社、1995年9月号付録
  8. ^ a b 初代ドラマーperoの音源(シングルバージョン)、2代目ドラマー[[sakura (ドラマー)|]]による『DUNE』収録のアルバムバージョンの音源、14年ぶりに演奏された「20th L'Anniversary LIVE」での3代目ドラマーyukihiroによるライブ音源が存在しており、L'Arc〜en〜Cielが公式発表した作品の中で、在籍したドラマー全員が演奏した楽曲となっている。
  9. ^ 『WHAT's IN?』、p.24、ソニー・マガジンズ、2012年2月号
  10. ^ a b ラジオ番組『やまだひさしのラジアンリミテッド』2002年9月23日放送回
  11. ^ a b ラジオ番組『やまだひさしのラジアンリミテッドDX』2004年2月18日放送回
  12. ^ 『ロッキンf』、p.29、立東社、1994年8月号