GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊

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GHOST IN THE SHELL /
攻殻機動隊
監督 押井守
脚本 伊藤和典
原作 士郎正宗攻殻機動隊
製作 宮原照夫
渡辺繁
ANDY FRAIN
出演者 田中敦子
大塚明夫
山寺宏一
音楽 川井憲次
撮影 白井久男
編集 掛須秀一
制作会社 Production I.G
製作会社 講談社
バンダイビジュアル
MANGA ENTERTAINMENT
配給 日本の旗松竹(1995年版)
ワーナー・ブラザース映画(2.0)
公開 1995年11月18日(1995年版)
2008年7月12日(2.0)
上映時間 85分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
次作 イノセンス
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GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(ゴースト イン ザ シェル / こうかくきどうたい)は、1995年11月18日に公開された日本の劇場用アニメ映画。また、CG映像を中心にリニューアルされた『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0』が、2008年7月12日から全国5都市で公開された。Production I.G 制作。原作は士郎正宗漫画攻殻機動隊』。監督は押井守

概要[編集]

漫画の1巻を原作とする。SF小説的な内容で、アメリカではビルボード誌のビデオ週間売上げ1位となる(1996年8月24日付)。全世界でのビデオ・DVDの売上は130万本(日本経済新聞 2002年7月21日付 朝刊)。続編は2004年公開の『イノセンス』である。

2008年に、押井の新作映画『スカイ・クロラ』上映記念として、本作のリニューアル版『攻殻機動隊2.0』を上映した。『2.0』では新作カットが使用され一部が3DCGとなり、さらに全体的な色調がブルー/グリーン系から、イノセンスと同様のアンバー(オレンジ)系となった。また、音響がサラウンド(5.1ch/6.1ch)化され、キャストの一部・台詞・音楽・SEが、アメリカのスカイウォーカー・サウンドの協力のもと、リニューアルされている。

2017年にアメリカで スカーレット・ヨハンソン主演で『ゴースト・イン・ザ・シェル』としてリメイクされた。日本では2017年4月7日に公開。

あらすじ[編集]

企業のネットが星を被い 電子や光が駆け巡っても 国家や民族が消えてなくなるほど 情報化されていない近未来――。

公安9課に所属する草薙素子(通称「少佐」)は、認定プログラマーの国外亡命を斡旋する外交官暗殺の任務を遂行する。

後日、外務大臣の通訳が電脳をハッキングされる事件が起き、他人の電脳をゴーストハックして人形のように操る国際手配中の凄腕ハッカー、通称「人形使い」の犯行である可能性が浮上。素子、バトー、トグサを初めとする公安9課は捜査を開始するが、容疑をかけられ逮捕された人物はいずれもゴーストハックされており、人形使い本人の正体を掴むことが出来ない。

そんな中、政府御用達である義体メーカー「メガテク・ボディ社」の製造ラインが稼動し、女性型の義体を一体作りだした。義体はひとりでに動き出して逃走するが、交通事故に遭い公安9課に運び込まれる。調べてみると、生身の脳が入っていないはずの義体の補助電脳にはゴーストのようなものが宿っていた。9課を訪れた外務省条約審議部(公安6課)の中村部長は、その義体こそが、6課の計画によって人形使いのデータが意図的に閉じ込められたものであることを明かす。一方、中村の突然の訪問を怪しんだトグサは、中村が光学迷彩で身を隠した数名を帯同していることを突き止める。

目覚めた人形使いは自らが情報の海で発生した、肉体の存在しない生命体であることを主張し、いち生命体として政治的亡命を要求しはじめる。更に、人形使いは自らを「プロジェクト2501」と名乗った。その直後、人形使いの義体は何者かに拉致されてしまう。この状況を読んでいたトグサとバトーは襲撃者の追跡を開始。更にイシカワの捜査により、外務省が一年前に始めていたプロジェクト「2501」の存在が明らかになる。元々人形使いは外務省が各種工作のために作成したAIだが、自我を持って制御不能になってしまったため、外務省は強引に回収を図っていたのだ。

バトーが追跡した襲撃者たちの車は囮だった。海上へ逃れようとする本命を追った素子は、戦車に苦戦を強いられ、バトーの援護で事なきを得る。義体を確保した素子は人形使いの電脳にダイブする。人形使いは以前から素子を認識しており、9課に亡命を求めたのも、彼女に自身との融合を提案するためであった。人形遣いは「死」の概念と自分の子孫(データ)を残す能力を手に入れ、素子はネットと一体化し、自分の殻を解き放った存在となる。しかし直後に2体の義体は外務省の派遣した部隊に狙撃され、破壊される。

20時間後、バトーが庇ったことで脳核の損傷は免れた素子は、少女の義体を使い、バトーのセーフハウスで目覚める。一連の事件はテロとして処理され、素子は行方不明扱いになり、中村を始めとする関係者は査問にかけられることになる。人形使いと融合を果たした素子はバトーと別れ、広大なネットの海へと旅立つのだった。

キャスト[編集]

役名 日本語版 英語版
1995年版 2.0
草薙素子 田中敦子 ミミ・ウッズ
バトー 大塚明夫 リチャード・ジョージ
トグサ 山寺宏一 クリストファー・ジョイス
イシカワ 仲野裕 マイク・ソリッチ
荒巻大輔 大木民夫 ウィリアム・フレデリック
中村公安6課部長 玄田哲章 ベン・アイザックソン
ウィリス博士 生木政壽 小林勝也 フィル・ウィリアムズ
外務大臣 山内雅人 勝部演之 マイク・レイノルズ
外交官 小川真司 スティーヴ・デイヴィス
台田瑞穂 宮本充 保村真 スティーヴ・デイヴィス
清掃局員 山路和弘 目黒光祐 トム・カールトン
清掃局員 千葉繁 中博史 ダグ・ストーン
検死官 家中宏 斧アツシ スティーヴ・ブーレン
オッサン 松尾銀三 立木文彦 ジョージ・セリック
実行犯 松山鷹志
技師 小高三良
技師A 東地宏樹
技師B 杉山大
運転手 佐藤政道
オペレーター 林田篤子 大野エリ ドロシー・ガブリエル
通信の声 上田祐司[注 1]
狙撃手 亀山俊樹
指揮官 後藤敦 三宅健太
少女(草薙) 坂本真綾[注 2]
人形使い 家弓家正 榊原良子 エイブ・ラッサー

スタッフ[編集]

サウンドトラック[編集]

GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊 オリジナル・サウンドトラック
『ネットの海』をイメージしたプリントパターンに草薙素子のバストアップがあしらわれたカバーアートには、サブタイトルとして People love machines in 2029 A.D. "Who are you? Who slips into my robot body and whispers to my ghost?" と記されている。
作曲・演奏・編曲:川井憲次
発売:1995.11.22 アルバムCD
BMGファンハウス(ASIN B0000076D8)
  • 1.M01 謡I - Making of Cyborg
  • 2.M02 Ghosthack(本編未使用)
  • 3.EXM Puppetmaster
  • 4.M04 Virtual Crime
  • 5.M05 謡II - Ghost City
  • 6.M06 Access
  • 7.M07 Nightstalker
  • 8.M08 Floating Museum
  • 9.M09 Ghostdive
  • 10.M10 謡III - Reincarnation
  • 11.Bonus track 挿入歌 毎天見一見!(Vo:Fang Ka Wing [注 3]; 作詞:Pong Chack Man)

受賞歴[編集]

評価[編集]

原作の士郎正宗は、企画段階から原作を気にしないで欲しいと要望を出しており、試写後に監督と会っても挨拶しかしなかったというが[1]、後に本作はCGの技術課題もあるが、それを忘れる程優れた演出だったと発言している[2]

ジェームズ・キャメロンは、「大人のSFに刺激を受けた。素晴らしい作品だと思う。いろんな点で最高」と語っている。お気に入りのシーンは水面に浮上するシーンと博物館の銃撃戦、ネットワークに入り込むシーンで、水面に映るビルや信号には詩的さを与えていると語る[3]

関連書籍[編集]

  • 『攻殻機動隊』(アニメコミックス) (講談社、発売日:1995年11月22日、ISBN 978-4061744806) 全カラー、映画のシーンから全セリフを採録
  • 『THE ANALYSIS OF攻殻機動隊―GHOST IN THE SHELL』ムック(講談社、発売日:1995年11月、ISBN 978-4063196405) 映画の原画、レイアウト収録
  • 『攻殻機動隊絵 コンテ集』 ペーパーバック(キネマ旬報社、発売日:1995年11月28日、ISBN 978-4873761473)
  • 『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊 原画集 -Archives-』(マッグガーデン、発売日:2014年8月8日、ISBN 978-4800003539)

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 2.0では芸名変更によりうえだゆうじ名義。
  2. ^ 後に「攻殻機動隊ARISE」で草薙素子役を演じる。
  3. ^ 「日本語が話せ「広東語」で歌える歌手」を日本国内で探したものの見つからず、香港の音楽代理店の協力で作曲家のイメージした「若く、ハイトーンボイスの歌手」としてFang Ka Wingを見いだした。

出典[編集]

  1. ^ (押井の発言、『勝つために戦え!〈監督ゼッキョー篇〉』p.371、全国書誌番号:21819397
  2. ^ 『押井守全仕事リミックス』(キネマ旬報社、士郎正宗へのアンケート、p.116、全国書誌番号:21711924
  3. ^ 『押井守全仕事リミックス』(キネマ旬報社、p.67、全国書誌番号:21711924