HIMARS
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基礎データ | |
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全長 | 7m |
全幅 | 2.4m |
全高 | 3.2m |
重量 | 13.7t |
乗員数 | 3名 |
装甲・武装 | |
主武装 | 227mm ロケット弾6連装発射機 |
機動力 | |
速度 | 85km/h |
エンジン |
290hp |
行動距離 | 480km |
高機動ロケット砲システム(こうきどうロケットほうシステム、High Mobility Artillery Rocket System, HIMARS)は、長射程の阻止砲撃用としてアメリカ陸軍が開発した自走多連装ロケット砲。
HIMARS(ハイマース)と呼ばれ、MLRSの小型版として主にアメリカ軍の緊急展開部隊である空挺部隊と海兵隊、迅速な輸送で集中的な運用が可能な軽歩兵師団に配備されている。
概要[編集]
従来から配備されていた自走多連装ロケット砲のMLRSは、湾岸戦争時に絶大な破壊力と長距離支援能力を示した。一方で、車両重量が約25トンと、その輸送にはC-5 ギャラクシーやC-17 グローブマスター IIIなど大型輸送機が必要で、海外地域への迅速な部隊展開の必要性が認識される中、迅速な部隊の展開ができない問題点も同時に報告された。
そこで、緊急展開部隊にも利用可能な面制圧可能な支援兵器として、FMTV(中型戦術車両ファミリー)5トントラック6輪駆動タイプの車体に装甲キャブ・FCS・MLRSの発射装置などを搭載して、C-130 ハーキュリーズ/C-130J スーパーハーキュリーズでも輸送可能な長距離火力支援兵器が開発された。
車体後部にM26 ロケット弾なら6発、MGM-140 ATACMS地対地ミサイルなら1発を収納し、発射筒を兼ねるグラスファイバー製のLP(Launch Pod)と呼ばれるコンテナを1基収める箱型の旋回発射機を搭載しており、M270 MLRSで運用可能な各種のロケット弾とミサイルを含むMFOM(MLRS Family Of Munition rockets and artillery missiles)と呼ばれる兵器群を全て発射することができる。地対艦ミサイルとしての運用も想定されている[1]。
MLRSと比べて軽量・小型化されたため、自走による長距離移動も可能になり、生産・整備維持費も安価になった。
実戦[編集]
2010年2月14日、アフガニスタンでのISAF活動で使用されているHIMARSが誤射してしまい、民間人12人を殺害した[2]。同年10月21日の『ニューヨーク・タイムズ』紙の報道では、カンダハールにおけるNATO軍の攻勢は本システムの貢献によるものと評価されている[3]。
現在、アメリカ陸軍はイラクでISILに対して使用している[4]。
2016年9月3日、アメリカ中央軍は同国陸軍がトルコに配備された本兵器により、シリア北部にあるISILの戦術部隊と建築物を攻撃し、成功したことを発表した[5]。
運用国[編集]
登場作品[編集]
映画[編集]
- 『トランスフォーマー/リベンジ』
- 終盤の対ディセプティコン戦で登場。MLRSなどとともにザ・フォールンを攻撃する。
ゲーム[編集]
脚注[編集]
- ^ 「米、沖縄で対艦ミサイル訓練/対中抑止 自衛隊に意向伝達」『産経新聞』朝刊2019年1月3日(1面)2019年1月25日閲覧。
- ^ ISAF Weapon Fails to Hit Intended Target, 12 Civilians Killed
- ^ Coalition Forces Routing Taliban in Key Afghan Region
- ^ “The U.S. Army Hurls Hundreds of Rockets at Islamic State”. warisboring.com. 2015年11月28日閲覧。
- ^ トルコ軍、シリア北部に新戦線 米軍は新配備兵器でISを攻撃 AFPBB News 2016年9月4日配信
関連項目[編集]
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