Heavenly (L'Arc〜en〜Cielのアルバム)

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L'Arc〜en〜Ciel > ディスコグラフィ > Heavenly (L'Arc〜en〜Cielのアルバム)
heavenly
L'Arc〜en〜Cielスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル ニュー・ウェーヴ
ゴシック・ロック
ロック
時間
レーベル Ki/oon Sony Records
プロデュース L'Arc〜en〜Ciel
チャート最高順位
  • 週間3位(オリコン
  • 登場回数56回(オリコン)
ゴールドディスク
  • プラチナ(日本レコード協会
  • L'Arc〜en〜Ciel アルバム 年表
    Tierra
    1994年
    heavenly
    1995年
    True
    1996年
    『heavenly』収録のシングル
    1. and She Said
      リリース: 1995年5月21日
    2. Vivid Colors
      リリース: 1995年7月6日
    3. 夏の憂鬱 [time to say good-bye]
      リリース: 1995年10月21日
    テンプレートを表示

    heavenly』(ヘヴンリー)は、日本のロックバンドL'Arc〜en〜Cielの3作目のアルバム1995年9月1日発売。発売元はKi/oon Sony Records

    解説[編集]

    前作『Tierra』以来約1年2ヶ月ぶりとなる3作目のオリジナルアルバム。

    アルバムのキャッチコピーは、「素敵[1]を召しませ」。hydeはアルバムタイトルを決めた経緯について「詞を見てもらうと分かると思うんだけど、ホント暗いと思うんです。でも、気分的には"幸福感"のあるタイトルにしたかった[2]」と述べている。

    本作のレコーディングについて、hydeは「本作を作る前はすごく危機感があった。バンドが描いていた方向じゃない所を向いている様な[2]」「前作はレコーディングにすごく時間がかかったから、この作品はもうちょっとスピードを上げて作った[3]」、tetsuyaは「短時間で仕上げて、出来上がったら時間をかけて、徹底的にプロモーションをしようって最初から考えてました[4]」と語っている。この発言の背景には、前作『Tierra』の制作が予定より長期化し、ライブ等のプロモーションが行えず、デビュー後初めて行った全国ライブツアー「Tour Sense of time '94」の一部公演でチケットがソールドアウトしない事態が発生したことが一因としてある。そのため、プロモーションに時間をかけるため、レコーディングに入る前段階で、メンバーの中で曲のアレンジをある程度煮詰めてレコーディングが行われた[4]。また、sakuraは「バンドで合わせたときの新鮮さを失わないように取り組んだアルバム[5]」、hydeは「メンバーのアレンジ面での力が発揮できた第一弾[6]」とこのアルバムを表現している。

    また、バンド・サウンドを強く意識した制作となっており、hydeは「前2作よりズバ抜けてバンドっぽいと思う。"じゃあ前は違ったのか?"って言われそうだけど[6]」、kenは「歌メロが早い時期から見えていたので、4人で曲の細かい所を固める作業に時間をかけられたのが良かった。本作では各パートを絡めようという意識があった[7]」と述べている。また、sakuraは「音の分離もよくなり音数が少なくなってるだけに、前作よりこじんまりとした印象を受けるかもしれないけど、その分レコーディングの時の空間、メンバーの息づかいがより明確になったと思います[8]」と述べている。

    ジャケットの写真はビアンカという女性モデル。彼女は本作の他に後述の写真集や、シングル「Vivid Colors」「夏の憂鬱 [time to say good-bye]」のジャケットにも起用される他、ミュージック・ビデオにも出演している。また、後に「NEO UNIVERSE」のMVにも出演しており、何かとL'Arc〜en〜Cielと縁がある人物である。

    本作のプロモーションとして1995年8月24日から8月31日にかけて、全国キャンペーンイベント「Rendez-vous 1995 Summer」を新潟、広島、岡山、札幌、名古屋、熊本、福岡、仙台、東京、大阪の計10都市の会場で開催。全国のCDショップで本作を予約した者から抽選で10,000人が招待された[9]。イベントではフィルム上映、メンバーのトーク、楽曲演奏などが行われた。また、同年7月30日には渋谷ハチ公前広場のスクリーンで、前述のイベントと同日にシークレットライブを開催する旨の告知が行われた。告知の通り、同日に渋谷公会堂でシークレットライブ「Rendez-vous前夜祭」が行われた。

    また、1995年12月に音楽専科社より、本作のオルゴールCD「"heavenly"music box version CD」を限定予約通販で発売した。このCDは同年12月24日に申込者へ届くようになっており、先着3,000名に限りシリアルナンバーが付いている。内容はオルゴールCDに加え、超大型サイズの豪華写真集 (オールカラー120ページ)、シリアルナンバーカードなどである。

    オリコン週間アルバムチャートで初登場3位を記録し、シングル、アルバム通じて初の週間TOP3を記録。累計売り上げは約39万枚を記録しヒット作となった。

    初回限定仕様はスーパーピクチャーレーベル

    収録曲[編集]

    1. Still I'm With You
      • 作詞:hyde / 作曲:ken / 編曲:L'Arc〜en〜Ciel
      歌詞についてhydeは「単なるラヴソングではなく、遠まわしに皮肉を入れた曲」「(アルバムで)唯一メッセージ性のある詞。人間の愚かさについてのメッセージを込めました」と語っている[10]。作曲者のkenは曲について「広いところを一定のスピードで誰にも邪魔されずに車か列車で走っているというイメージ[10]」だと述べている。
      sakuraは「今まで発表した2枚のアルバムと共通項が結構見い出せる曲[10]」と述べている。また、kenは「ディレイにこだわろうと思って作っていました[10]」と述べている。
      ちなみに、tetsuyaは曲のイントロなど部分部分で、5弦のフレットレス・ベース「ESP BB-5 CUSTOM」を弾いている[10]
      1996年に行われたライブツアー「BIG CITY NIGHTS ROUND AROUND '96」以降ライブで演奏していない。
    2. Vivid Colors
      2ndシングル。公式ファンクラブ発足記念ライブツアー「Ciel/winter '95」で初披露された[11]
      hydeは歌詞について「アルバムのテーマでもある"わかりやすくて、どこまで人の内側に届くか?"っていう部分が一番強調される詞かもしれない[10]」と述べている。シングルバージョンとはミックスが微妙に違うほか、アウトロの時間が長くなっており、曲のトータル時間が2秒ほど長い。
      このためブックレットや公式サイトにはないが、Sony Music Shopには「アルバムヴァージョン」の表記がある。
    3. and She Said
      • 作詞・作曲:hyde / 編曲:L'Arc〜en〜Ciel
      2ndビデオシングル。ライブツアー「in CLUB '95」の初日公演に合わせてリリースされた。
      歌詞を手掛けたhyde曰く、曲にビートルズのイメージがあったといい、ビートルズの詩の全集を読んだ上で歌詞が書かれた[12]
      hydeは「(詩の全集を読んだから)"セロファン"という言葉とかは"真似してるんだよ"っていう感じで、敢えて使った[12]」と述べている。
    4. ガラス玉
      • 作詞:hyde / 作曲:ken / 編曲:L'Arc〜en〜Ciel
      ライブツアー「in CLUB '95」で先行披露された楽曲[5]。曲が完成する前は、歌詞の一部にある「Into the silence」というタイトルだった。
      最初の約30秒間は波の音のみ入っており、静かにAメロに入るがサビに入った途端一変する。作曲を手掛けたkenによると、この曲のギターソロはイメージビデオ『Siesta 〜Film of Dreams〜』の撮影で訪れたモロッコでイメージが生まれたという。
      このアルバムの曲の中で一番初めに歌詞が書かれたバラードで、hyde曰く「海の中から月を見てるイメージ[13]」だったという。また、hydeはアルバムの中でもお気に入りの曲だと語っており、「僕が思うkenの素晴らしい部分がよく出てる曲だと思う」「静から動への移り変わりは、もうL'Arc〜en〜Cielのクセですね」と述べている[13]
      2011年に行われたライブ「20th L'Anniversary LIVE」において、コンサートツアー「CONCERT TOUR '96〜'97 Carnival of True」以来約15年ぶりに演奏された。
    5. Secret Signs
      • 作詞:hyde / 作曲:ken / 編曲:L'Arc〜en〜Ciel
      作曲者のkenは、ハード・ロックジャズを混ぜたような曲を作りたかったという。曲を聴いたhydeは「セクシーでイヤラしい歌詞を歌ってみたい[14]」と思い歌詞が書かれた。
      この曲でkenはピックでは出ないニュアンスを出すため、自身初の指弾きを披露している。また、tetsuya曰く「曲が求めていたという感じで、自然とジャジーなアレンジになった[14]」といい、ジャジーなランニング・ベースを弾いてる。sakuraは「俺の中ではジャズの一種として叩いた[14]」と述べており、タム類のチューニングもジャズを意識し、随所に4ビートが散りばめられている[15]
      1996年に行われたライブツアー「BIG CITY NIGHTS ROUND AROUND '96」以降ライブで演奏していない。
    6. C'est La Vie
      • 作詞:hyde / 作曲:tetsu / 編曲:L'Arc〜en〜Ciel
      タイトルはフランス語で「人生なんてこんなものだ」という意味で、読み方は「セ ラ ヴィ」。hyde曰く「何気ない日常のことを書きたかった[14]」といい、「タイトルは"もう、どうなったっていいや"っていう感じの言葉なんだけど、これはできるだけ前向きにした」と述べている[14]
      作曲者のtetsuyaは「ダリル・ホール&ジョン・オーツの「マンイーター」のようなモータウン系のリズムで、哀愁ある曲のつもりで作った[16]」と述べている。
      2012年に行われたライブツアー「20th L'Anniversary WORLD TOUR 2012 THE FINAL」において、ライブ「1997 REINCARNATION」以来約15年ぶりに演奏された[17]
    7. 夏の憂鬱
      • 作詞:hyde / 作曲:ken / 編曲:L'Arc〜en〜Ciel
      3rdシングル「夏の憂鬱 [time to say good-bye] 」の原型となった曲。
      kenは制作する上で、山口百恵の「いい日旅立ち」のような雰囲気を意識していたという[18]。メロディが追加・変更されたシングルバージョンと比べ、シンプルな曲構成となっている。また、シングルバージョンと歌詞も一部異なる。
      後にパートチェンジバンドP'UNK〜EN〜CIELでリアレンジされ、32ndシングル「DAYBREAK'S BELL」のカップリングに収録されたが、原曲を留めていないくらいアレンジされており、副題もリカットシングルに付いていた[time to say good-bye]から[SEA IN BLOOD 2007]に変更されている。
    8. Cureless
      • 作詞:hyde / 作曲:tetsu / 編曲:L'Arc〜en〜Ciel
      hyde曰く、タイトルは「癒せない」という意味[16]。この曲の原曲は元ギターのhiroが制作し「記憶の破片 (かけら)」というタイトルで、インディーズ時代から演奏されていた。
      前作『Tierra』制作の際に、この曲が収録される予定がありドラム録りのみ行われていたが、本作収録にあたりtetsuyaが歌メロや譜割りを変更している[19]
      hydeは「この曲は、わかりにくいと思うんですけど、ハッピーエンドのつもりなんですよ[16]」と歌詞について述べている。本作では、作詞と歌入れが最後に行われている。
      1996年に東京ベイNKホールで行われたライブ「Kiss me heavenly deadly '96 REVENGE」以降ライブで演奏していない。
    9. 静かの海で
      • 作詞:hyde / 作曲・編曲:L'Arc〜en〜Ciel
      メジャーデビュー後唯一となる、作曲クレジットがL'Arc〜en〜Ciel名義の楽曲。音源の原案は主にsakuraによって制作された。
      タイトルの「静かの海」は月の海のひとつで、アポロ11号から切り離された月着陸船が1969年に人類史上初の月面着陸を行った場所を指している。歌詞は月面着陸の際に、月に残された機械の視点で書かれている。歌詞を書くにあたって、sakuraからのリクエストがあったといい、hydeは「そのイメージを僕なりにつかんで、詞を書くのに時間がかかった[19]」と述べている。仮タイトルは「宇宙」と名付けられている。
      歌詞の中に「feel heavenly」のコーラスがあり、アルバムの中でタイトルの『heavenly』が歌詞に使われている唯一の楽曲となっている。ちなみに、このコーラスはメンバー4人の合唱によるもので、tetsuyaは「結構キーも高いし、ずっと続くから大変だった[19]」と述べている。他にもイントロには宇宙飛行士の通信音声が入っている。
      sakuraはこの曲に関し、「この曲は俺の意見を優先してもらった。取り組み姿勢はドラマーというよりアレンジャー的だった[19]」「曲全体の流れの中に存在する装飾的なドラムという感じ。ドラムもパーカッションの一つとして捉えている[19]」と述べている。本作の収録曲で唯一演奏時間は7分を超える大作となっている。
      また、ken曰く、hydeからの「イルカの鳴き声みたいなものが出せないかな[20]」というリクエストを受け、ギターとは違う楽器をイメージしてギターの音作りを行ったという。イントロではボトル・ネック奏法にディレイをかけてサウンドエフェクト的な音色を出している他[20]、リバース・リバーヴといった特殊効果を使っており[20]、kenは「サイケな感じになっていると思う」と述べている。また、tetsuyaは曲の全編で、5弦のフレットレス・ベースを演奏している。
      アルバム発売後に行われたライブツアー「TOUR heavenly '95」ではアンコールのラスト曲として披露された[5]
      2018年に行われたライブ「L'Arc〜en〜Ciel LIVE 2018 L'ArChristmas」において、コンサートツアー「CONCERT TOUR '96〜'97 Carnival of True」の日本武道館公演以来約22年ぶりに披露された。同公演では歌詞のイメージとなった月や宇宙がスクリーンに映し出された[21]
    10. The Rain Leaves a Scar
      • 作詞:hyde / 作曲:ken / 編曲:L'Arc〜en〜Ciel
      ライブツアー「in CLUB '95」で先行披露された楽曲。hyde曰く、タイトルは「雨さえも僕の傷跡を癒せない」という意味で、歌詞は「孤独の極致」がテーマだという[19]
      kenは制作当初バラードを意識し、ピアノとストリングスの世界をイメージしていたというが、結果的にテンポの速いハードな曲となった[19]
      L'Arc〜en〜Cielのアルバムでは珍しくバラードではなく激しい曲で終わる。kenのリクエストもあり、メンバーは派手さを意識して演奏したという。
      sakuraは「最後の打ち上げ花火みたいな感じ。得意なフレーズを中心に派手さを意識して叩いてみた」「何気に雰囲気のある曲なんで、ただの派手なプレイには終わらせなかった」と述べている[19]
      1995年に日本武道館で行われたライブ「TOUR heavenly '95 final」以降ライブで演奏していない。

    参加ミュージシャン[編集]

    • hydeVocal
    • kenGuitar
    • tetsuBass
    • sakuraDrums & Percussion
    • [Additional Musicians]
      • 秦野猛行:キーボード
      • 西平彰:キーボード(#2)
      • Jonathan E.Miles:Voice of "Shizukano umi de"(#9)
      • 北岡一郎:レコーディング
      • 中林慶一:レコーディング、ミックス
    • [Produce & Mastering]
      • L'Arc〜en〜Ciel:プロデュース
      • 高橋"RANDY"和仁:プロデュース補佐[22]
      • 田中三一:マスタリング
      • 内田孝弘:リマスタリング(High-Resolution Audio)

    収録ベストアルバム[編集]

    脚注[編集]

    1. ^ 帯には、素敵の文字の横「ヘブンリィ」と読みカナが書かれている。
    2. ^ a b 『ARENA37℃』、音楽専科社、p.10、1996年12月号
    3. ^ L'Arc〜en〜Ciel バンド結成20年の歴史を振り返るメンバー4人ソロインタビュー hyde - ナタリー
    4. ^ a b 『ARENA37℃』、音楽専科社、p.16、1996年12月号
    5. ^ a b c 『is』、シンコー・ミュージック・エンタテイメント、1996年
    6. ^ a b 『ロッキンf』、p.11、立東社、1995年9月号付録
    7. ^ 『ロッキンf』、p.13、立東社、1995年9月号付録
    8. ^ 『ロッキンf』、p.20、立東社、1995年9月号付録
    9. ^ L'Arc-en-Ciel.com 1995 -L'Arc〜en〜Ciel.com
    10. ^ a b c d e f 『ロッキンf』、p.4、立東社、1995年9月号付録
    11. ^ 『is』、シンコー・ミュージック・エンタテイメント、p.69-p.70、1996年
    12. ^ a b 『GiGS』、p.7、シンコー・ミュージック、1995年9月号付録
    13. ^ a b 『ロッキンf』、p.5、立東社、1995年9月号付録
    14. ^ a b c d e 『ロッキンf』、p.6、立東社、1995年9月号付録
    15. ^ 『GiGS』、p.10、シンコー・ミュージック、1995年9月号付録
    16. ^ a b c 『ロッキンf』、p.6、立東社、1995年9月号付録
    17. ^ 通常であれば「STAY AWAY」の演奏前に行われるtetsuyaによるベースソロから始まるというサプライズ演出であった。
    18. ^ 『ロッキンf』、p.7、立東社、1995年9月号付録
    19. ^ a b c d e f g h 『ロッキンf』、p.8、立東社、1995年9月号付録
    20. ^ a b c 『ロッキンf』、p.14、立東社、1995年9月号付録
    21. ^ 【詳細レポート】L'Arc-en-Ciel、<L'ArChristmas>初日「すでにクリスマスの奇跡が起こっている」 - BARKS
    22. ^ クレジットはCo-produced by Kazuhito "Randy" Takahashi