JR東日本E995系電車

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JR東日本E995系電車
JR East E995-1 omiya.JPG
クモヤE995-1
(2009年11月8日 大宮総合車両センター)
基本情報
製造所 東急車輛製造
主要諸元
軌間 1,067 mm
設計最高速度 100 km/h
車両定員 非営業車両(事業用
全長 20,000 mm
全幅 2,800 mm
全高 4,051.5 mm
車体 ステンレス
制御装置 VVVFインバータ制御
制動装置 回生電気指令式空気ブレーキ
保安装置 ATS-P,ATS-SN
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E995系電車(E995けいでんしゃ)(2008年まではE991形気動車(E991がたきどうしゃ))は、東日本旅客鉄道(JR東日本)と鉄道総合技術研究所(JR総研)が共同開発した試験用気動車及び電車事業用車)である。愛称は「NEトレイン (New Energy Train) 」(2008年まで)または「NE Train スマート電池くん」(2009年から)。ハイブリッド気動車燃料電池動車、蓄電池電車の試験を行った。

E991形気動車[編集]

東日本旅客鉄道(JR東日本)は鉄道総合技術研究所(JR総研)と共同で2003年平成15年)、シリーズ方式ハイブリッド気動車キヤE991形(キヤE991-1)を試作した[1]。システム的には電気式気動車に大容量の蓄電池を設けた構造である。発進・加速・登坂などの高負荷時には発電機と蓄電池の電力を併用し、減速・制動時にはモーターから回生させた電力を蓄電池に充電することでエンジンの負荷を抑え、燃費節減や排出ガス削減を図っている。従来の気動車では不可能だった「走行エネルギーの回収・再利用」を実現したという点で画期的な車両である。

蓄電池は容量 10 kWh(当初)のものを屋根上に搭載し、マンガン系の正極を使ったリチウムイオン二次電池を採用したことも特徴である。発電用エンジンは出力 331 kW / 2,100 rpm の国際的な鉄道の排出ガス規制に対応したもので、発電機は 180 kW の3相誘導発電機 DM927 である。電機品はE231系のものをベースにした日立製作所製であり、主電動機は MT73 に電圧変更対応を施した 95 kW の MT936 、主変換装置もE231系のVVVFインバータ制御装置をベースに DC 340 V のインバータ・コンバータとした CT905 で、この制御装置部が蓄電池、エンジンも制御するハイブリッドシステム統括制御装置となっている。台車は軽量ボルスタレス式空気ばね台車のDT959/TR918 で、これもE231系のものをベースとしている。車体は701系E127系100番台に類似したステンレス製両開き2扉で、単行運転が可能な両運転台車となっている。

基本的には駅停車時や低速走行時にはエンジンを極力停止させることとし(サービス電源は蓄電池から供給)、蓄電池で発車後 25 km/h でエンジンが始動する。この時はエンジンは最高効率域での発電となり、蓄電池からの電力も併せて使用するが、長い上り坂などではエンジンを最高出力で発電させ、エンジン発電のみで走行する。ブレーキは回生発電併用電気指令式空気ブレーキで、回生時は主電動機の発電で蓄電池を充電するが、抑速時はエンジンの排気ブレーキも使用される。その場合、主発電機をモーターとして作動させ、燃料噴射を停止して排気ブレーキを作動させたディーゼルエンジンを強制的に回すことで、走行用モーターに対する抵抗器としての役割を持たせる[2]

キヤE991形は、小型高出力ディーゼルエンジン、ステンレス製の軽量車体、効率的なパワーエレクトロニクスという有利な条件を具備しているが、エネルギー消費については、自動車のハイブリッド車同様、長い上り勾配がある線区では重量が大きいためかえって燃費が悪くなる場合があり、その経済性は運用線区・運行条件により相当に変化すると見られる。

キヤE991形による試験の後、JR東日本によって世界初の営業用ハイブリッド気動車キハE200形が製造されることになり、2007年夏より小海線に3両を投入し、営業運転を行いながら長期試験を行っている[3]。これらとE231系電車の開発・導入によって、JR東日本は「省エネ車両の継続的導入と世界初のハイブリッド鉄道車両の開発・導入」という理由により、第16回地球環境大賞の文部科学大臣賞を受賞した。

E995系電車[編集]

電気式気動車の一種であるシリーズ式ハイブリッドを採用した理由のひとつには将来の燃料電池動車の導入があった。2006年7月以降に水素燃料による燃料電池(65 kW×2台)を搭載して試験を実施するとしていたが[4]、その計画通りキヤE991形は2008年(平成20年)に燃料電池動車に改造され、形式称号もE995系電車クモヤE995形(クモヤE995-1)に改称された。また、愛称は気動車時代と変わらず「NEトレイン (New Energy Train) 」とした。

燃料電池駆動のためパンタグラフは無かったが、2009年(平成21年)にパンタグラフを搭載し「蓄電池駆動電車システム」試験車両として再改造され、愛称も「NE Train スマート電池くん」と改められた。電化区間は通常の電車として走行しながら充電し、非電化区間は電化区間や駅停車中に充電した電力を元に蓄電池駆動で走行するもので、将来への実用化に向けた研究試験が実施された。

ハイブリッド気動車(キヤE991形)時代は宇都宮運転所所属であったが、2007年(平成19年)3月に一旦、廃車(除籍)となった。燃料電池動車への改造後(無車籍)は長野総合車両センター、蓄電池駆動車に改造された後は小山車両センターに所属し、周辺の各路線で各種試験を行った。車籍は2010年(平成22年)2月に復活した(新製車扱い)。

2014年(平成26年)3月15日のダイヤ改正から、本形式を実用化したEV-E301系電車1編成(2両)が烏山線で運用を開始した。

試験終了後は所属先の小山車両センターに長らく留置されていたが、2019年(令和元年)12月18日に廃車のため長野総合車両センターへ回送され[5]、同年12月19日付で廃車[6]、2020年(令和2年)2月19日に解体された。

脚注[編集]

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  1. ^ 参考までに日本ではないが、営業用でない(試作車・デモンストレーション車)ハイブリッド気動車では、2000年アルストムなどが製作した、ドイツ鉄道の618型気動車「コラディア・リレックス」 (Coradia LIREX) の事例が存在する。こちらは電池ではなく、フライホイールにエネルギーを蓄えるシステムである。また、燃料電池の搭載も可能としている。2000年に開催された鉄道技術見本市「イノトランス」で実車が出展された。
  2. ^ ディーゼルハイブリッド車両の開発 (PDF) - 日本機械学会誌 2008年4月 Vol. 111 p331
  3. ^ 営業車として世界初のハイブリッド鉄道車両の導入 -キハE200形式- (PDF) - JR東日本 プレスリリース(2005年11月8日)
  4. ^ 世界初の燃料電池ハイブリッド鉄道車両の開発 (PDF) - JR東日本 プレスリリース(2006年4月11日)
  5. ^ 【JR東】クモヤE995系 NE Train スマート電池くん廃車回送 - 2nd-train、2019年12月18日
  6. ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2020夏 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2020年、p.358。ISBN 9784330050201。

関連項目[編集]