MELLOW (氷室京介のアルバム)

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MELLOW
氷室京介スタジオ・アルバム
リリース
録音 アンドラスタジオ
マウンテンゲートスタジオ
ロイヤルトーンスタジオ
ソニースタジオ
サウンド・シティ
スタジオチェロ
ジャンル ロック
ポップス
バラード
時間
レーベル ポリドール・レコード/BeatNix
プロデュース 氷室京介
チャート最高順位
  • 週間5位(オリコン
  • 登場回数6回(オリコン)
  • 2000年度年間93位(オリコン)
氷室京介 アルバム 年表
The One Night Stands 〜TOUR "COLLECTIVE SOULS" 1998〜
1998年
MELLOW
2000年
beat haze odyssey
(2000年)
EANコード
『MELLOW』収録のシングル
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MELLOW』 (メロウ)は、日本のミュージシャンである氷室京介の8枚目のオリジナル・アルバム

2000年2月23日ポリドール・レコードのBeatNixレーベルからリリースされた。前作『I・DE・A』(1997年)以来約2年2か月ぶりにリリースされた作品であり、作詞は森雪之丞および松井五郎、全作曲は氷室、また前作に続き氷室の単独プロデュースとなっている。

レコーディングは一部日本国内で行われた以外はアメリカ合衆国にて行われ、ギタリストのスティーヴ・スティーヴンスやドラマーのヴィニー・カリウタ、ベーシストのトニー・レヴィンなどが参加、エンジニアはニール・ドーフスマンの他にグラミー賞受賞経験のあるデヴィッド・ビアンコ英語版などが参加している。音楽性としてはアップテンポの曲を極力排除しバラード中心の構成となっている。

ノンタイアップとなった「SLEEPLESS NIGHT 〜眠れない夜のために〜」、フジテレビ系テレビドラマ『氷の世界』(1999年)の主題歌「ダイヤモンド・ダスト」、映画『ISOLA 多重人格少女』(2000年)の主題歌「永遠 〜Eternity〜」が先行シングルとして収録されている。

オリコンチャートでは最高位5位となった。

背景[編集]

ソロデビュー10周年を記念したベスト・アルバムCollective SOULS 〜THE BEST OF BEST〜』(1998年)リリース後、氷室は「TOUR "COLLECTIVE SOULS" 1998 One Night Stand」と題したコンサートツアーを同年7月15日横浜アリーナからツアーファイナルとなった9月19日9月20日横浜スタジアム2日間連続公演まで、9都市全13公演を実施[1]、約21万人を動員した[2]。このコンサートツアーは「SHAKE THE FAKE」以来3年半ぶりとなり、同ツアーではU2ピンク・フロイドのステージデザインを手掛けたマーク・フィッシャーがデザインを担当[2]、ステージ衣裳はクロムハーツのリチャード・スタークが担当した[3]。氷室は過去のライブで最も印象に残っているのが同ツアーファイナルの横浜スタジアム公演であると述べ、アメリカに移住してチャレンジした結果が全て形となり、BOØWYを完全に追い抜いたとの実感から絶品であると自画自賛した[3]。同公演の模様は同年12月9日に初のライブ・アルバムThe One Night Stands 〜TOUR "COLLECTIVE SOULS" 1998〜』として、また12月24日にライブ・ビデオ『The one night stands - tour "Collective Souls" 1998』としてリリースされた[2]

録音、制作[編集]

レコーディングはアメリカのアンドラスタジオ、マウンテンゲートスタジオ、ロイヤルトーンスタジオ、スタジオチェロの他に日本のソニースタジオサウンド・シティにて行われた。

レコーディングには前述のコンサートツアーにも参加したギタリストのスティーヴ・スティーヴンス、ドラマーのマーク・シュルマン英語版が参加している。シュルマンとの出会いはスティーヴンスが氷室と共にサンタモニカ付近のライブハウスにて行われたシュルマンのライブを見に行った事がきっかけとなり、氷室が非常に気に入ったためにツアーへの参加が決定した[4]

本作において氷室は初めてPro Toolsを使用して歌録りを行っている[5]。収録曲の「ダイヤモンド・ダスト」に関しては、テレビ局のプロデューサーが氷室の大ファンであった事からドラマ主題歌として制作する企画を持ち込まれ、氷室がプロデューサーとの対話や台本を読んだ上でドラマ主題歌として制作される事となった[6]

音楽性[編集]

本作の音楽性に関して氷室は、ビート系の楽曲を極力排除してメロウな曲のみを収録しているため「ちょっと異色な存在感を持った作品」と述べている[5]

また、「自分にないものを突き詰めていったアルバム」とも述べており、ディレクターの臼井克幸は渡米後の氷室の曲作りに関して、「ミディアムなナンバーやバラードの作り方が変わったなというイメージがすごく強い」と述べ、著名である事から日本国内では困難となる事もロサンゼルスでは問題にならず、精神的にも良好な状態で制作されたとも述べた[7]

リリース、プロモーション[編集]

本作は2000年2月23日ポリドール・レコードのBeatNixレーベルからコンパクトディスクにてリリースされた。

氷室は当時の音楽業界のメディアミックス戦略のために音楽が大量消費されているような状況に対して不信感を抱き、業界とは一線を引いた音楽活動に専念していた[8]。そのためシングル「SLEEPLESS NIGHT 〜眠れない夜のために〜」をノンタイアップおよび限られたプロモーションのみでリリースする事となった[8]

アートワーク[編集]

本作は歌詞カードに記載されている曲順とCDに収録されている曲順が異なっている。これに関して氷室は、納期直前まで曲順が決定できなかった事が原因であると述べ、歌詞カードに記載されている曲順が当初予定していたものであり、印刷物は事前に依頼を掛けなくてはならない事から後に修正ができず、土壇場で急遽氷室が曲順を変更したために食い違いが発生する事となったと述べている[5]

ツアー[編集]

前回のコンサートツアー「TOUR "COLLECTIVE SOULS" 1998 One Night Stand」がスタジアムなどの大規模な会場のみであった事から、氷室は小規模な会場も含めて細かくツアーを行いたいという希望を出していたが、本作の完成によりツアーの実施が困難となり、コンサートツアーを行うために次作『beat haze odyssey』(2000年)がリリースされる事となった[9]

批評[編集]

専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典評価
CDジャーナル肯定的[10]

音楽情報サイト『CDジャーナル』では、「タイトル通り、メロウな曲がメインの一枚」と本作を位置付けており、氷室のボーカルに関して「甘くセクシーな歌声」と表現した上でバラード曲との相性が良くまた「品がいい」と評した他、1曲目および9、10曲目が骨太なロックナンバーであり「全体を引き締めている」と肯定的に評価した[10]

チャート成績[編集]

オリコンチャートでは最高位5位、登場回数は6回となり、売り上げ枚数は21.7万枚となった。

収録曲[編集]

全作曲: 氷室京介、全編曲: 氷室京介、キム・ブラード英語版
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.SLEEPLESS NIGHT 〜眠れない夜のために〜(編曲: スティーヴ・スティーヴンス)森雪之丞氷室京介
2.永遠 〜Eternity〜 (album mix)(編曲: 氷室京介)森雪之丞氷室京介
3.Still The One松井五郎、氷室京介氷室京介
4.Believe松井五郎氷室京介
5.Silent Blue (album mix)(編曲: 氷室京介)森雪之丞氷室京介
6.So Far So Close松井五郎氷室京介
7.ダイヤモンド・ダスト(編曲: ポール・バックマスター英語版)森雪之丞氷室京介
8.Chaos松井五郎、氷室京介氷室京介
9.Jive!松井五郎氷室京介
10.bringing da noise森雪之丞氷室京介
合計時間:

スタッフ・クレジット[編集]

参加ミュージシャン[編集]

スタッフ[編集]

  • 氷室京介 - エグゼクティブ・プロデューサープロデューサー
  • クリス・ファーマン - レコーディング・エンジニア(9, 10曲目)、ミキシング・エンジニア(2 - 6, 8 - 10曲目)
  • デヴィッド・ビアンコ英語版 - レコーディング・エンジニア(3, 4, 6, 8曲目)
  • ニール・ドーフスマン - レコーディング・エンジニア(1曲目)、ミキシング・エンジニア(1曲目)
  • ノエル・ゴールデン - レコーディング・エンジニア(1曲目)
  • ピーター・ロイマー - レコーディング・エンジニア(7曲目)、ミキシング・エンジニア(7曲目)
  • スティーブ・チャーチヤード - レコーディング・エンジニア(2, 5曲目)
  • 池田秀明 - レコーディング・エンジニア(5曲目)
  • 竹村彩 - レコーディング・エンジニア(1曲目)
  • ギャビン・ラーセン英語版 - マスタリング・エンジニア
  • 迫田英行(電通) - シニア・クリエイティブ・ディレクター
  • 藤原英之(電通) - クリエイティブ・ディレクター
  • 徳田祐司(電通) - アートディレクター
  • むらいしかずこ(電通) - デザイナー
  • たにやまりょう(コモン) - デザイナー
  • 権八成裕(電通) - コピーライター
  • ビル・ジェイコブソン(ジュリーソールギャラリー、ニューヨーク) - 写真撮影
  • 石渡知花 - ヘアー&メイク・アップ
  • やぎたかこ - スティール・コーディネーション
  • マイケル・ワカバヤシ - スティール・コーディネーション
  • 芳賀祐美(ユニバーサルミュージック) - アートワーク・コーディネーション
  • 月光恵亮 - エグゼクティブ・プロデューサー
  • 石坂敬一(ユニバーサルミュージック) - ゼネラルマネージャー
  • 折田育造(ポリドール・レコード) - ゼネラルマネージャー
  • 後藤由多加 (BeatNix) - ゼネラルマネージャー

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 氷室京介 -TOUR "COLLECTIVE SOULS"1998 One Night Stand”. LiveFans. SKIYAKI APPS. 2021年1月17日閲覧。
  2. ^ a b c ぴあMOOK 2013, p. 108- 松田義人 (deco) 「"Tabloid" Himuro Historic Clips 1988-2013」より
  3. ^ a b ぴあMOOK 2013, p. 35- ふくりゅう「LONG INTERVIEW 最新40,000字インタビュー 【第三章】2003~2013 音楽シーンの変革、そして挑戦を続ける現在へ」より
  4. ^ 田家秀樹 (2020年12月3日). “氷室京介の充実期、1990年代後半の作品を振り返る”. ローリング・ストーン ジャパン. CCCミュージックラボ. p. 6. 2021年1月17日閲覧。
  5. ^ a b c ぴあMOOK 2013, p. 25- ふくりゅう「LONG INTERVIEW 最新40,000字インタビュー 【第二章】1995~2002 渡米、新たなる表現の獲得へ」より
  6. ^ 田家秀樹 (2020年12月3日). “氷室京介の充実期、1990年代後半の作品を振り返る”. ローリング・ストーン ジャパン. CCCミュージックラボ. p. 7. 2021年1月17日閲覧。
  7. ^ 田家秀樹 (2020年12月3日). “氷室京介の充実期、1990年代後半の作品を振り返る”. ローリング・ストーン ジャパン. CCCミュージックラボ. p. 8. 2021年1月17日閲覧。
  8. ^ a b ぴあMOOK 2013, p. 109- 松田義人 (deco) 「"Tabloid" Himuro Historic Clips 1988-2013」より
  9. ^ 田家秀樹 (2020年12月3日). “氷室京介の充実期、1990年代後半の作品を振り返る”. ローリング・ストーン ジャパン. CCCミュージックラボ. p. 9. 2021年1月17日閲覧。
  10. ^ a b 氷室京介 / MELLOW”. CDジャーナル. 音楽出版. 2021年1月17日閲覧。

参考文献[編集]

  • 『ぴあMOOK 氷室京介ぴあ 完全保存版! 25th Anniversary Special Book』、ぴあ、2013年9月20日、 25 - 35, 109頁、 ISBN 9784835622439。