Orca

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Orca
Orcaのロゴ。白い杖を持っているシャチの形をしている
初版 2006年9月3日(12年前) (2006-09-03
最新版 3.24.0 / 2017年3月20日(21か月前) (2017-03-20[1]
リポジトリ gitlab.gnome.org/GNOME/orca
プログラミング言語 Python
対応OS Unix系
サポート状況 開発中
種別 スクリーンリーダーアクセシビリティ
ライセンス GNU LGPL バージョン2.1[2]
公式サイト projects.gnome.org/orca/
テンプレートを表示

Orcaは、GNOME発の視覚障害者用のスクリーンリーダーで、FOSSである。Orcaは音声合成点字を使用し、AT-SPIをサポートするGNOMEデスクトップ、Mozilla FirefoxThunderbirdOpenOffice.orgLibreOfficeGTK+QtJava SwingSWTを使用したアプリケーションなどのアクセシビリティを向上させる。

歴史[編集]

Orcaの開発はサン・マイクロシステムズ(現オラクル)のAccessibility Program Office(APO)によってはじめられた。2004年5月、サン・マイクロシステムズのプログラマーで盲人のマーク・マルケイ(: Mark Mulcahy)がOrcaを構想してプロトタイプを制作した。マルケイがサンを退社して起業すると、サンのAPOがOrcaの開発を引き継いで継続、2006年9月3日に正式版をリリースした[3][4][5]。2010年にオラクルがサンを吸収合併すると、GNOMEのアクセシビリティ関連コンポーネントを開発していたプログラマーたちをリストラした。リストラされた者の中には当時Orcaのメンテナンスをしていたウィリー・ウォーカー(Willie Walker)も含まれた。それ以降、Orcaのメンテナンスはジョーンマリー・ディッグス(Joanmarie Diggs)などのボランティアによって行われた[6][7]。2011年9月7日、FOSSの開発を専門とするIgalia英語版という会社がジョーンマリーを雇い、彼女のOrcaにおける貢献を支持した[8]

"Orca"という名前はシャチを意味する[9]。これは当時スクリーンリーダーの名前には海洋生物と関連した者を使うという不文律があったためであり、実際MS-DOSではFlipperというスクリーンリーダーが、Microsoft WindowsではJAWSが使われ[10]、イギリスでもDolphin Computer Access英語版という会社が視覚障害者用ソフトウェアを開発していた[11]

GNOME 2.16の時点でOrcaはGNOMEプラットフォームに既定でインストールされていたスクリーンリーダーであり、それ以前のデフォルトであったGnopernicus英語版を置換した[12]。そのため、OrcaはGNOMEと同じく約6か月ごとというリリースサイクルを採用した[13]。OrcaはSolaris[14]Fedora[15]openSUSE[16]Ubuntu[17]などいくつかのOSディストリビューションにおいてデフォルトで提供されている。

2006年、IBMがLinux Screen Reader英語版というOrcaの代替ソフトの開発を開始したが、翌年には開発を停止した[18]

機能[編集]

Orcaのプロファイル機能を使用することで設定を保存することができ、複数のプロファイルを利用することで多言語のテキストにアクセスすることができる。

メンテナンス者の一覧[編集]

Orcaの開発はメンテナンス者の主導のもと、コミュニティとともに行われる。2013年時点のメンテナンス者はジョーンマリー・ディッグス(Joanmarie Diggs)である[19]。またほかにも数多くのデベロッパーが貢献している[20]

脚注[編集]

  1. ^ Orca git source code repository”. 2017年4月5日閲覧。
  2. ^ COPYING file from the Orca git source code repository”. 2011年7月15日閲覧。
  3. ^ Burridge, Rich. “My First Blind Email”. 2013年8月21日閲覧。
  4. ^ Walker, Willie. “Announcing Orca v1.0.0”. 2013年8月16日閲覧。
  5. ^ Changelog”. 2013年8月16日閲覧。
  6. ^ Walker, Willie. “Post about 2010 GNOME Accessibility Hackfest and Transfer of Leadership”. 2013年2月24日閲覧。
  7. ^ Willis, Nathan (2011年12月21日). “GNOME plans an accessibility push for 2012”. Linux Weekly News. https://lwn.net/Articles/473007/ 2013年2月24日閲覧。 
  8. ^ Piñeiro, Alejandro. “New Igalia hiring: Joanmarie Diggs”. http://blogs.igalia.com/apinheiro/2011/09/07/new-igalia-hiring-joanmarie-diggs/ 2013年8月21日閲覧。 
  9. ^ シャチの学名はOrcinus orca
  10. ^ “Assistive Computer Technology For MS-DOS Training Guide”. p. 33. http://www.htctu.net/archieves/archive%20pdf/act%20for%20ms-dos.pdf 2013年8月16日閲覧。 
  11. ^ Dolphin Computer Access website”. 2013年8月16日閲覧。
  12. ^ “GNOME 2.16 Release Notes”. https://help.gnome.org/misc/release-notes/2.16/ 2013年8月16日閲覧。 
  13. ^ “GNOME's Time-Based Release Schedule”. https://wiki.gnome.org/ReleasePlanning/TimeBased 2013年8月16日閲覧。 
  14. ^ “Oracle Solaris 11 Desktop Accessibility Guide”. http://docs.oracle.com/cd/E26502_01/html/E29026/ats-2.html 2013年8月16日閲覧。 
  15. ^ “Fedora 16 Accessibility Guide”. http://docs.fedoraproject.org/en-US/Fedora/16/html/Accessibility_Guide/ar01s04.html 2013年8月16日閲覧。 
  16. ^ “openSUSE 12.3”. http://en.opensuse.org/Features 2013年8月16日閲覧。 
  17. ^ “Ubuntu Accessibility”. https://help.ubuntu.com/community/Accessibility 2013年8月16日閲覧。 
  18. ^ Parente, Peter. “Status of IBM a11y”. https://mail.gnome.org/archives/lsr-list/2007-June/msg00000.html 2013年8月16日閲覧。 
  19. ^ Doap file log”. 2013年8月16日閲覧。
  20. ^ AUTHORS file”. 2013年8月17日閲覧。