Porphyra umbilicalis

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

移動先: 案内検索
Porphyra umbilicalis
Porphyra umbilicalis
Porphyra umbilicalis
分類
ドメ
イン
: 真核生物 Eukaryota
階級なし : アーケプラスチダ Archaeplastida
: 紅色植物門 Rhodophyta
: 紅藻綱 Rhodophyceae
: ウシケノリ目 Bangiales
: ウシケノリ科 Bangiaceae
: ポルフィラ属 Porphyra
: P. umbilicalis
学名
Porphyra umbilicalis
(L.) Kütz.
英名
Laver
海草, Laver(生)(Seaweed, laver, raw)
100 gあたりの栄養価
エネルギー 146 kJ (35 kcal)
5.11 g
糖分 0.49 g
食物繊維 0.3 g
0.28 g
飽和脂肪酸 0.061 g
一価不飽和脂肪酸 0.025 g
多価不飽和脂肪酸 0.11 g
5.81 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(33%)
260 μg
(29%)
3121 μg
チアミン (B1)
(9%)
0.098 mg
リボフラビン (B2)
(37%)
0.446 mg
ナイアシン (B3)
(10%)
1.47 mg
(10%)
0.521 mg
ビタミンB6
(12%)
0.159 mg
葉酸 (B9)
(37%)
146 μg
コリン
(2%)
10.4 mg
ビタミンC
(47%)
39 mg
ビタミンE
(7%)
1 mg
ビタミンK
(4%)
4 μg
ミネラル
ナトリウム
(3%)
48 mg
カリウム
(8%)
356 mg
カルシウム
(7%)
70 mg
マグネシウム
(1%)
2 mg
リン
(8%)
58 mg
鉄分
(14%)
1.8 mg
亜鉛
(11%)
1.05 mg
マンガン
(47%)
0.988 mg
セレン
(1%)
0.7 μg
他の成分
水分 85.03 g
0.264 mg

%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)

Porphyra umbilicalisは、紅藻でウシケノリ科ポルフィラ属に分類される。海苔の1種。かつて日本産の藻類チシマクロノリにこの学名が使われていたが、別種であることが明らかとなっている。

英語で海苔を表わすLaverは、通常この種を主としており、イギリスはウェールズを中心に食用に供されるもの[1]である。アゾレス諸島スペインガリシア州でも食材として利用されている。[2][3]

なお、イギリス出身のK. M. ドリューが1949年のネイチャー掲載の論文[4]で本種の生活史を解明し、これが海苔の生活環の解明と養殖技術確立への契機になった。[1][5]

Laverと海苔の関係について[編集]

Laver(レイヴァー、[ˈleɪvə])は、食用の沿岸性藻類(海藻)で、高いミネラル分を含んでいる。特にヨウ素。Laverは圧倒的に東アジアで消費され、中国では紫菜(zǐcài)、日本では海苔、朝鮮では김(キム)として知られている。ウェールズでは、Laverは伝統的なウェールズ料理であるlaverbread後述)を作るために使われる。食べ物としてのLaverは、一般に、アイリッシュ海沿岸のブリテンの西海岸とアイルランドの東海岸一帯でも見られる。その地域では、slakeとして知られている。[6]

よく岩にまとわりついているシート状の葉状体は、手触りは滑らかで、繊細に形成されている。主要な品種が本種である。[7]アマノリ属は紅藻に分類され、褐色がかった色を呈するが、調理の際に、煮詰まると濃い緑のパルプ状になる。海藻の中では普通でないことだが、葉状体は細胞1つだけの厚さしかない。[8][9]高いヨウ素の含有は、この海藻にオリーブカキに共通する特徴のある風味を与える。[10]

緑藻であるオオバアオサ Ulva lactucaも、sea lettuceとして知られており、時に青海苔として食べられることがあるが、アマノリ属よりも劣っていると見なされている。[11]

栽培[編集]

Laverの食品としての栽培は、とても古いものと考えられているが、最初の言及は、17世紀初期のキャムデン英語版の『ブリタニア』におけるものである。[12]岩から毟り取り、清水であらかじめ濯いでおく。収集したlaverは、砂を取り除くために繰り返し洗い、それが粘り気の強い緑の粥になるまで数時間茹でる。[13]その状態で、laverは一週間ほど保存できる。一般的に18世紀の間は、その粥はに詰められて、“壺入りlaver”として売られていた。

Laverとトースト

Laverの栽培は一般的にウェールズと結びついており、スコットランド西岸で同様の養殖方式が用いられているものの、今でもペンブルックシャーカーマーゼンシャーの海岸から集められている[14]

Laverは、ラムやマトンと共にサラダとして冷やして食べてもいい。簡単な調理としては、Laverを温めたり、バターとレモンダイダイの果汁を加えたりするものがある。Laverは温めても、茹でたベーコンと共に供してもいい。laverbreadとして知られるウェールズ料理を作るために使うことがある。

Laverbread[編集]

Laverbread(ウェールズ語bara lafwr ([bara lavur]) / bara lawr ([bara laur]))は、laverから作られる伝統的なウェールズの珍味である。laverbreadを作るためには、その海藻を数時間煮、それから細かく刻んだり裏ごししたりする。そうして出来上がったにかわ状のペーストが、そのまま売られたり、もしくはオートミールの中にくるんだりする。一般的には、揚げるのを優先してオートミールで覆われている。

Laverbreadは、伝統的にウェールズ式朝食の一部として炒めたベーコンとザルガイと共に食べられる。ラムやカニ、アンコウその他に添えるソースを作るためや、laverスープ(cawl lafwr ([kaul lavur]))[15]を作るために使われることもある。リチャード・バートンは、laverbreadを「ウェールズ人のキャビア」と評したと引き合いに出されてきた。[16]

Laverは、しばしばペンクラウズ村とウェールズ食で伝統的に使われるザルガイと結びつけられるし、laverbreadの形でウェールズ全域でいまだに広く食べられている。ウェールズに加え、laverbreadは、ブリストル海峡を越えて北デヴォンでも食べられており、特にリンマスコム・マーティンイルフラクームに跨るエクスムーア海岸周辺である。北デヴォンでは、一般的にオートミールとは一緒に料理されないし、それを単純に‘Laver’(レイヴァー)と呼ぶ。

Laverは栄養価が高く、それは蛋白質、鉄分、特にヨウ素の割合の高さによる。ビタミンB2ADCも高い水準で含んでいる。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 松村崇夫 「海産物『海苔』」『地球食材の旅【帰りの巻】』 朝日新聞日曜版編集部、小学館〈サライムック〉、1998年、72-75頁。ISBN 4-09-103518-3。
  2. ^ Ana Isabel Neto, Ian Tittley e Pedro Raposeiro, Flora Marinha do Litoral dos Açores. Horta: Secretaria Regional do Ambiente e do Mar, 2005 ISBN 9729988404).
  3. ^ Fernández Saa, C. (2002) Algas de Galicia. Alimento y Salud
  4. ^ 原論文: Drew, Kathleen M. (1949). “Conchocelis-phase in the life-history of Porphyra umbilicalis (L.) Kütz”. Nature 164 (4174): 748–749. doi:10.1038/164748a0. http://www.nature.com/nature/journal/v164/n4174/abs/164748a0.html 2014年5月17日閲覧。. 
  5. ^ 徳田廣 (2007年4月). “第3回 「藻類の変わり者(その1、2)」〔[藻類の変わり者]その2 : 貝殻に潜る海藻〕” (日本語). 徳田先生の部屋. 日本エヌ・ユー・エス株式会社. 2014年5月16日閲覧。
  6. ^ British food seaweeds”. everything2.com. 2012年5月6日閲覧。
  7. ^ Algaebase :: Species Detail”. www.algaebase.org. 2008年8月10日閲覧。
  8. ^ laverbread – WalesOnline”. www.walesonline.co.uk. 2008年8月10日閲覧。
  9. ^ Wells, Emma (2010), A Field Guide to the British Seaweeds, National Marine Biological Analytical Quality Control Scheme (p 24).
  10. ^ Laver nori”. www.hospitalityinfocentre.co.uk. 2013年11月1日閲覧。
  11. ^ BBC – Science & Nature – Sea Life – Fact files: Sea lettuce”. www.bbc.co.uk. 2008年8月10日閲覧。[リンク切れ]
  12. ^ Mason, Laura (2008年5月20日). “Great British Bites: laverbread – Times Online”. London: www.timesonline.co.uk. http://www.timesonline.co.uk/tol/life_and_style/food_and_drink/real_food/article3969119.ece 2008年8月10日閲覧。 
  13. ^ Laverbread Parsons Pickles » Home”. laverbread.com. 2008年8月10日閲覧。
  14. ^ Don, Monty (2001年11月11日). “Down your way”. The Observer (London). http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2001/nov/11/foodanddrink.gardens 2008年8月10日閲覧。 
  15. ^ Traditional Welsh Recipes”. welsh-recipes.the-real-way.com. 2008年8月13日閲覧。
  16. ^ Black Mountains Breakfast — Brecon Beacons National Park”. www.beacons-npa.gov.uk. 2008年8月10日閲覧。

参考文献[編集]

  • Lamb, Leeks and Laverbread, Gilli Davies, Grafton (16 Mar 1989), ISBN 0-586-20139-4