SHAKE THE FAKE

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SHAKE THE FAKE
氷室京介スタジオ・アルバム
リリース
録音 パラダイススタジオ
東急ファンスタジオ
サウンドインスタジオ
A&Mスタジオ
ジャンル ロック
ポップ・ロック
プログレッシブ・ロック
ハードロック
時間
レーベル 東芝EMI/イーストワールド
プロデュース ホッピー神山
西平彰
佐橋佳幸
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン
  • 1994年度年間16位(オリコン)
  • 登場回数8回(オリコン)
ゴールドディスク
  • プラチナ(日本レコード協会
  • 氷室京介 アルバム 年表
    Memories Of Blue
    1993年
    SHAKE THE FAKE
    (1994年)
    SINGLES
    1995年
    EANコード
    『SHAKE THE FAKE』収録のシングル
    1. VIRGIN BEAT
      リリース: 1994年8月29日
    テンプレートを表示

    SHAKE THE FAKE』(シェイク・ザ・フェイク)は、日本のミュージシャンである氷室京介の5枚目のアルバム

    1994年9月26日東芝EMIのイーストワールドレーベルからリリースされた。前作『Memories Of Blue』(1993年)よりおよそ1年8か月ぶりにリリースされた作品であり、全作詞は松井五郎、作曲は氷室およびホッピー神山、プロデュースは神山および西平彰佐橋佳幸が担当している。

    レコーディングは一部アメリカ合衆国A&Mスタジオで行われ、マスタリングはバーニー・グランドマンによって行われた。前作がミリオンセラーとなり、かつて自身が所属したバンドであるBOØWYを超えたと確信した氷室により様々な次の方向性が試行錯誤されたアルバムであり、プログレッシブ・ロックハードロックの音楽性と取り入れた作品となっている。

    先行シングルとしてリリースされ、三貴「カメリアダイアモンド」のコマーシャルソングとして使用された「VIRGIN BEAT」が収録されている。

    オリコンチャートでは最高位1位を獲得した。

    背景[編集]

    前作『Memories Of Blue』(1993年)リリース後、氷室は「TOUR 1993 "L' EGOISTE"」と題したコンサートツアーを同年1月11日横浜アリーナからアーファイナルとなった国立代々木競技場第一体育館での3日間連続公演まで、39都市全51公演を実施した[1][2]。しかし、同ツアー1月19日大阪城ホール公演の際、風邪による体調不良のため満足なステージを披露できなかった氷室は公演中にその会場の観客を別の日に無料で招待すると発言、急遽「やりなおしライブ」が開催される事が決定したが、後年氷室はこの件に関して「プロとしてあってはならない姿」、「エンタテインメント・ビジネスの風上にも置けない、自己満足というか、若気の至り」と述懐した上で「非常に恥ずかしい思い出」であると述べた[3]

    同年4月28日にはPV集『CAPTURED CLIPS』をリリースした。

    録音[編集]

    本作のレコーディングは渋谷区のパラダイススタジオおよび東急ファンスタジオ千代田区サウンドインスタジオアメリカ合衆国A&Mスタジオにて行われた。

    氷室は前作がミリオンセラーとなった上に自身が納得のいく完成度であった事から、BOØWYを超える事ができたと認識する事となった[4]。そのためそれまでの「対BOØWY」という概念から解放されたが、今度は「対自分」との概念を抱える事となり、レコーディング中に自律神経失調症になった事もあった[4]。自身の中にあった完成度の基準値を更に超えなくてはならない状態となった氷室は、一度本作をお蔵入りにする事も検討したが、ホッピー神山が参加した事でリリースできる完成度になったという[3]

    本作は氷室のアルバムの中で最も多くスタッフが関わっている作品であり、キーボード4名、プログラマー2名、ギター3名、ベース4名、ドラム4名、エンジニアが6名参加している[4]。また表題曲である「SHAKE THE FAKE」にはBOØWYのベーシストだった松井常松が参加している[5]。これについてディレクターの子安は、様々な人間とコミュニケーションを取りながら試行錯誤していた結果であると推測している[4]。また子安は多作品と比較し本作は子安自身がレコーディング時にスタジオに入る時間が最も短かった作品であると述べ、氷室自身が環境も含めてあらゆる変化の必要性を欲した事や、次にどのようなメンバーで制作していくかを試行錯誤していた事が関係していると述べた他、現場にいた際に自身の役割が見えなかった事もあり、プロジェクト全体の統括として活動する事にしたと述べた[4]。氷室は後にポリドール・レコードに移籍したため子安との共同作業からは一時的に離れる事となったが、子安とは友人関係にありBOØWYの成功は子安がプロジェクトに関わっていた事が大きな要因であるとも述べている[6]

    音楽性[編集]

    本作ではそれまでの氷室の作品にはなかったジャンルの曲が収録されており、「BREATHLESS」や「LOST IN THE DARKNESS」はプログレッシブ・ロック、「SHAKE THE FAKE」や「HYSTERIA」はハードロックになっている[3]

    収録曲の「VIRGIN BEAT」に関して氷室は、「自分のひねくれた音楽感が非常に良い形で結実したシングル」と述べ、氷室は楽曲制作の際に上手く転調が行われている曲が良曲であるとの持論から、同曲に関しても何度も楽しめる作品として制作した[3]

    後年氷室は本作に関して「自分ができることはすべてやった」と語り、ストレスを感じていたのは自身の精神性の弱さに起因していると述べ、また体力的な不安から本作完成後よりジョギングを開始し体力づくりに励む事となった[6]

    リリース[編集]

    1994年9月26日東芝EMIのイーストワールドレーベルよりコンパクトディスクでリリースされた。

    2003年7月21日にはデジタル・リマスターおよび紙ジャケット仕様で、コピーコントロールCDにてリリースされた。

    ツアー[編集]

    本作を受けてのツアーは「SHAKE THE FAKE」と題し、1994年10月12日横浜アリーナを皮切りに、8都市全16公演を敢行[7]、約21万人を動員した[5]。ツアーファイナルとなった12月24日12月25日には東京ドーム2日間連続公演を行った[7][5]

    批評[編集]

    専門評論家によるレビュー
    レビュー・スコア
    出典評価
    CDジャーナル肯定的[8]

    音楽情報サイト『CDジャーナル』では、1曲目にテレビCMのタイアップとして使用された「VIRGIN BEAT」が収録されている事については「現実的で少し興ざめ」と指摘したが、歌謡曲的なメロディーを持つ曲がアグレッシブかつ先鋭的なアレンジになっている事で「近未来的な非現実的世界へ誘なう」とした上で「そこが快感」と肯定的に評価した[8]

    表題曲「SHAKE THE FAKE」に関しては、元ハノイ・ロックスマイケル・モンロー作曲「Dead Jail Rock'n'Roll」との類似性(というよりむしろ日本語カバーともいえるほどの同一性[9])が指摘されているが、2021年現在、「盗作ではないか」などの批判は見られない。

    チャート成績[編集]

    オリコンチャートでは最高位1位、登場回数は8回となり、売り上げ枚数は71.6万枚となった。

    収録曲[編集]

    全作詞: 松井五郎、全作曲: 氷室京介(特記除く)。
    #タイトル作詞作曲・編曲編曲時間
    1.VIRGIN BEAT (Re-mix)松井五郎氷室京介(特記除く)ホッピー神山
    2.BREATHLESS松井五郎氷室京介(特記除く)佐橋佳幸
    3.SHAKE THE FAKE松井五郎氷室京介(特記除く)佐橋佳幸
    4.LOST IN THE DARKNESS松井五郎氷室京介(特記除く)ホッピー神山
    5.HYSTERIA松井五郎氷室京介(特記除く)ホッピー神山
    6.FOREVER RAIN松井五郎氷室京介(特記除く)ホッピー神山
    7.DON'T SAY GOOD BYE (Re-mix)松井五郎氷室京介(特記除く)ホッピー神山、西平彰
    8.DOWN TOWN ARMY松井五郎氷室京介(特記除く)ホッピー神山、西平彰
    9.LONESOME DUMMY松井五郎氷室京介(特記除く)西平彰
    10.BLOW松井五郎氷室京介(特記除く)西平彰
    11.TRUE BELIEVER(作曲: 氷室京介、ホッピー神山)松井五郎氷室京介(特記除く)ホッピー神山
    合計時間:

    スタッフ・クレジット[編集]

    参加ミュージシャン[編集]

    スタッフ[編集]

    • ホッピー神山 - プロデューサー(1,4 - 8,11曲目)
    • 西平彰 - プロデューサー(7 - 10曲目)
    • 佐橋佳幸 - プロデューサー(2,3曲目)
    • 坂本達也 (DEEP) - アソシエイト・プロデューサー、エンジニア
    • 納屋和貴 (MUSIC LAND) - ミュージシャン・コーディネート
    • バーニー・グランドマン - マスタリング・エンジニア
    • 川澄伸一 (MIXER'S LAB) - 追加エンジニア
    • 中林慶一(オフィス・インテンツィオ) - 追加エンジニア
    • 新銅"V"康晃 (BRAIN POLICE) - 追加エンジニア
    • ひこさわひでたか(サウンドインスタジオ) - アシスタント・エンジニア
    • 福島芳樹(東急ファンスタジオ) - アシスタント・エンジニア
    • マイク・バウムガルトナー(A&Mスタジオ) - アシスタント・エンジニア
    • 子安次郎(東芝EMI) - A&Rチーフ
    • 渡辺雅敏(東芝EMI) - A&R
    • しぶやたかゆき(ユイ音楽工房) - パブリッシャーズ・プロデューサー
    • 宮野真一(ユイ音楽工房) - パブリッシャーズ・ディレクター
    • 鈴木よしのり(ユイ音楽工房) - アーティスト・プロデューサー
    • やがさきゆうけん(ユイ音楽工房) - アーティスト・マネージャー
    • ましのともみ(ユイ音楽工房) - マネージメント・デスク
    • 鈴木博一(東芝EMI) - プロモーション・チーフ
    • 小澤啓二(東芝EMI) - プロモーション
    • 上野ひとみ(東芝EMI) - プロモーション
    • 森谷統 - アート・ディレクション
    • とびたみき - デザイン
    • いいもりまさこ - デザイン
    • 小木曽威夫 - 写真撮影
    • つのせつ - スタイリスト
    • 横原義雄 - ヘアー、メイク
    • ぎとふゆみ - ヘアー、メイク
    • もりやなおこ - ビジュアル・プロデューサー
    • かとうつよし - ビジュアル・コーディネート
    • 朝日印刷 - 印刷

    リリース履歴[編集]

    No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
    1 1994年9月26日 東芝EMI/イーストワールド CD TOCT-8550 1位
    2 2003年7月21日 東芝EMI/イーストワールド CCCD TOCT-25090 - デジタルリマスタリング盤、紙ジャケット仕様

    脚注[編集]

    [脚注の使い方]
    1. ^ 氷室京介 -TOUR 1993 "L'EGOISTE"”. LiveFans. SKIYAKI APPS. 2021年1月5日閲覧。
    2. ^ ぴあMOOK 2013, p. 103- 松田義人 (deco) 「"Tabloid" Himuro Historic Clips 1988-2013」より
    3. ^ a b c d ぴあMOOK 2013, p. 21- ふくりゅう「LONG INTERVIEW 最新40,000字インタビュー 【第一章】1988~1994 ソロデビュー、アイデンティティの確立へ」より
    4. ^ a b c d e 田家秀樹 (2020年12月1日). “対BOØWYから対自分へ 1990年代前半の氷室京介を語る”. ローリング・ストーン ジャパン. CCCミュージックラボ. p. 6. 2021年1月5日閲覧。
    5. ^ a b c ぴあMOOK 2013, p. 104- 松田義人 (deco) 「"Tabloid" Himuro Historic Clips 1988-2013」より
    6. ^ a b ぴあMOOK 2013, p. 22- ふくりゅう「LONG INTERVIEW 最新40,000字インタビュー 【第一章】1988~1994 ソロデビュー、アイデンティティの確立へ」より
    7. ^ a b 氷室京介 -SHAKE THE FAKE”. LiveFans. SKIYAKI APPS. 2021年1月9日閲覧。
    8. ^ a b 氷室京介 / シェイク・ザ・フェイク [廃盤]”. CDジャーナル. 音楽出版. 2021年1月9日閲覧。
    9. ^ 仮タイトルは「スティーヴ・スティーヴンスがいなけりゃただの人」であるとされ、同曲を相当程度意識していることは明らかである。

    参考文献[編集]

    • 『ぴあMOOK 氷室京介ぴあ 完全保存版! 25th Anniversary Special Book』、ぴあ、2013年9月20日、 21 - 22, 104頁、 ISBN 9784835622439。