SVホルン

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SVホルン
原語表記 Sportverein Horn
クラブカラー 青・白
創設年 1922年
所属リーグ レギオナルリーガ東部
所属ディビジョン 2部
ホームタウン ホルン郡
ホームスタジアム ヴァルドフィアトラー・フォルクスバンク・アレーナドイツ語版
収容人数 3,500
代表者 オーストリアの旗 ルドルフ・ラウドン
日本の旗 本田洋史
監督 ドイツの旗 カルステン・ヤンカー
公式サイト 公式サイト
ホームカラー
アウェイカラー
■テンプレート(■ノート)サッカークラブPJ

シュポルトフェライン・ホルンドイツ語: Sportverein Horn)は、オーストリアニーダーエスターライヒ州ホルン郡を本拠地とするサッカークラブである。

概要[編集]

1922年10月21日創立。人口6500人の街ホルン市英語版を本拠地とする。チームカラーはホルン市の色である「青・白」。

男子トップチームはレギオナルリーガ東部(オーストリア3部)に、セカンドチームは6部に所属。

HONDA ESTILO株式会社との業務提携[編集]

2015年6月より日本人サッカー選手・本田圭佑のマネジメント事務所である「HONDA ESTILO株式会社」が経営に参入した。多くのメディアでは「クラブ買収」と報道されたがこれは誤報であり、SVホルンのドイツ語公式HPでは「HONDA ESTILOは我がクラブに投資をする新しい業務提携パートナーである」と発表されている[1][2]。SVホルンのルドルフ・ラウドン会長は本田サイドとの合意事項は3年であり、2018年シーズン終了時までのパートナーシップ契約を結んでいると説明している[3][4]

SVホルンのクラブは会員制(ソシオ制)NPOでありオーナーシップに関する権利は年間会費を支払っている会員に原則的あるため外部者による買収は不可能である。クラブ会員の投票によって理事が決まり、これら理事から構成される理事会によって会長が指名される。HONDA ESTILO株式会社が経営に参入した2015年6月以降は、理事会の過半数がHONDA ESTILO株式会社の社員及び本田圭佑の父親である本田司を含む親族、残りは地元オーストリア人の理事会メンバーからなっている[5]

会長職においては二頭体制を取っており、オーストリア人のルドルフ・ラウドンが第一会長、本田圭佑の従弟にあたる本田洋史が第二会長となっている[6]

2016年6月22日オーストリア・ブンデスリーガのリーグ規定に伴い「SVホルン・プロチーム運営有限会社」(SV Horn Profi Betriebs GmbH)を新たに設立。トップチームの運営をNPOであるクラブから切り離し有限会社へ移管した。この新たに設立された有限会社への出資は57.23%がNPOのSVホルン、42.77%がHONDA ESTILO株式会社によって行われ、社員数は1名、代表は本田洋史であることが公表されている[7]

2017年4月27日、SVホルンのドイツ語公式HPをはじめオーストリアの各メディアがHONDA ESTILO株式会社からのSVホルンに対しての投資額が2017年夏から大幅に減ること、HONDA ESTILO株式会社がオーストリア・ブンデスリーガの厳しい規定を完全にクリアーすることは不可能という見解を示したこと、2017-18年シーズンにおけるエアステリーガ(オーストリア2部)のクラブライセンスを申請したものの、リーグ機構より第一審で申請が承諾される見込みはなく、第二審で承諾されることを願いたいとルドルフ・ラウドン会長が述べたことを公表した[8][9][10][11]

同時にSVホルンはドイツ語公式HPを通して2017-18シーズン以降のプロサッカークラブとしての運営を維持するためにもHONDA ESTILO株式会社との業務提携前まで存在した経営面と組織面におけるクラブとしての自立を再び取り戻し、地に足のついたクラブ経営、地域密着ボランティア、継続性を持った選手育成といった以前のクラブの強みを再び発揮できるように自省すると公表した[12]

2017年4月28日オーストリア・ブンデスリーガのリーグ機構は公式HPを通して2017-18年シーズンのクラブライセンスを申請した21クラブのうちSVホルンを除く全てのクラブが第一審で承諾されたこと、SVホルンに対しては懲戒処分が下されたことを発表した[13][14]

SVホルンはこのリーグ機構による懲戒処分について財政面に関する資料の不備と刻限を過ぎての提出をオーストリア・ブンデスリーガのリーグ機構が根拠付けたこと、そして次シーズンから実施予定の支出削減に関する証拠書類および次シーズンの年間予算案に含まれている補助金とスポンサー収入に関する具体的な資料の提出を求められたことをクラブのドイツ語公式HPを通して開示した[15][16]

オーストリア・ブンデスリーガ・リーグ機構のヘロヴィツ取締役はSVホルンの状況についてスカイスポーツ・オーストリア放送局に対して「これほど重大な提出期限の遅延はこれまで一度もなかったため、このような形で懲戒手続きが行われるのは前例の無いケースである、処罰措置としては戒告処分から50万ユーロまでの制裁金、勝ち点の減点まで考えられる。もし勝ち点の減点が決定した場合は来シーズンに該当する」と説明した[17]

その後、HONDA ESTILO株式会社が一歩引いた形の来季の経営計画を提出し直した結果、受理されクラブライセンスも発給された[18]

歴史[編集]

1922年創設。1957年、現スタジアムとクラブハウスがある土地にクラブの本拠地を移転。第2次世界大戦後は下位リーグに所属していたが、1988年オーストリア・ランデスリーガ英語版(4部)に、1991年にはオーストリア・レギオナルリーガ英語版東部(3部)への昇格を果たす。その後は3部と4部を行き来していたが、2007年に再び昇格すると2部への昇格争いに参加するようになる。2011-12シーズンにレギオナルリーガ東部で優勝し、エアステリーガ(2部)に初昇格した。しかし、2014-15シーズンには10チーム中9位という成績に終わり、3部降格が決定した。浦和レッズ下部組織出身の矢島倫太郎はこの2014-15年シーズン中に加入している。

2015-16年シーズン[編集]

2015年6月9日、HONDA ESTILO株式会社が経営に参入することがクラブの総会で承認[19]。上層部を本田が抜擢した日本人スタッフが占めることとなる。副会長兼理事メンバーには本田のマネージャーである神田康範、強化面の責任者「マネージメント&スポーツディレクター」には本田のスポーツ用具担当であった大本拓が就任した。

7月14日、北海道コンサドーレ札幌に所属し6月29日から7月7日までオーストリアでのチーム練習に参加していた榊翔太と完全移籍で契約を結んだ[20]本田圭佑は榊を「脅威となる選手」と高く評価[21][22]。 公式HPを通して「スピードがあり相手にとって脅威となる選手。まだまだ成長できるポテンシャルがあり、優勝を目指す我々のパワーとなってくれると確信しています」と太鼓判を押し、本田圭佑自らが日本代表で着けている4番のユニフォームを榊に与えた。

7月28日、SVホルンの公式戦ホームゲームを日本の動画サイトニコニコ生放送で中継することを発表した[23]

2016年1月には大型補強を実施。権田修一ハーフナー・ニッキ新井瑞希川中健太の4人の日本人選手を含む6人を獲得した。2016年4月の時点でチームは2位と2部復帰に向けて好結果を残していたが、クラブ側との考え方や方向性の違いによりヨハン・クレア監督を解任。「本田の哲学をクラブに浸透できる人材」としてシーズン開幕前からの希望としてあった濱吉正則を招聘した[24]

濱吉正則の監督就任から2試合が行われ残り4試合となった5月12日、SVホルンを追走していた2位のファースト・ヴィエナFCが二部昇格に必要なクラブライセンスの取得申請を取り辞めたことから、この時点でSVホルンの2部復帰が確定した。その後の6月4日の最終節、SKNザンクト・ペルテン・ジュニアーズ戦で5‐1と勝利し、オーストリア3部リーグを優勝で終えた。

2016-17年シーズン[編集]

カーボベルデ代表トニ・ヴァレラやアルゼンチン出身のニコラス・オルシーニ、オランダ出身のケヴォン・タノら合計10人の選手を新たに獲得。3部リーグでの優勝を果たした前シーズンの主力メンバーを大幅に入れ替えたチームで新たなシーズンに臨んだものの、合計10チームから形成されるエアステリーガ(オーストリア2部)でシーズンを通して7位と9位の間を行き来する。第13節では最下位に転落するなど降格圏内からなかなか抜け出せないまま苦しんだ。

オーストリア・カップでは2回戦で対戦したレギオナルリーガ西部(オーストリア3部)に属するSVグレーディヒを相手に敗退、ジャイアント・キリングを許した。

2016年12月には権田修一サガン鳥栖に移籍した。2017年1月には新たにエストニア代表イリヤ・アントノフを獲得した。

2017年3月13日、非商業的なパートナーシップの一環として国際連合の掲げる「世界を変えるための17の目標」のロゴをユニフォームとスタジアム看板の広告枠を通して掲出することを発表した。

リーグ後半戦になってもチームは降格圏内に低迷。2017年5月1日に行われた最下位のフローリツドルファーAC戦での敗戦(0-2)後、濱吉正則監督が解任された。シーズン終了までの暫定監督として濱吉正則の監督就任前にも暫定監督を務めたコーチのクリストフ・ヴェスターターラーが就任した。5月26日、最終節のLASKリンツに敗れ、2部昇格1年でレギオナルリーガ東部(3部)への降格が決まった。

2017-18年シーズン[編集]

2017年6月1日、新監督にカルステン・ヤンカーに決まった。2018年5月25日、最終節のアウストリア・ウィーン・アマチュア戦に勝利して3部優勝と2部昇格を決めた。[25]

タイトル[編集]

国内タイトル[編集]

  • オーストリア・カップ:1回(当シーズンはEURO2008開催による過密スケジュールが問題視され、全プロクラブの参加が見送られた。そのため、アマチュアチームのみが参加する「オーストリア・アマチュア・カップ」(ÖFB-Amateur-Cup)として開催された)
    • 2007-08
  • レギオナルリーガ東部(3部): 2回
    • 2011-12, 2015-16
  • ランデスリーガ・ニーダーエステライヒ州(4部):3回
    • 1990-91, 1997-98, 2006-07
  • ニーダーエステライヒ州カップ:1回
    • 1989

成績[編集]

  • 1988/89–1990/91 ランデスリーガ(4部)
  • 1991/92–1996/97 レギオナルリーガ(3部)
  • 1997/98 ランデスリーガ(4部)
  • 1998/99–1999/00 レギオナルリーガ(3部)
  • 2000/01–2006/07 ランデスリーガ(4部)
  • 2007/08–2011/12 レギオナルリーガ(3部)
  • 2012/13–2014/15 エアステリーガ(2部)
リーグ 試合数 勝利 引分 敗戦 得失点 得点 失点 勝点 順位 リーグ杯 監督
2015-16 レギオナルリーガ 30 21 10 3 52 80 28 69 1位 2回戦敗退 ヨハン・クレア
濱吉正則
2016-17 エアステリーガ 36 9 6 21 -15 42 57 33 10位 2回戦敗退 濱吉正則
クリストフ・ヴェスターターラー
2017-18 レギオナルリーガ 30 20 5 5 36 61 25 65 1位 カルステン・ヤンカー

現所属メンバー[編集]

2017年9月15日現在
No. Pos. 選手名
1 オーストリアの旗 GK ジャロー・カスプリシン
6 オーストリアの旗 MF アーメド・トビアス・アンドレー
10 オーストリアの旗 MF ミロスラヴ・ミロシェヴィッチ
11 オーストリアの旗 DF フェルディナント・ヴァインヴルム
12 オーストリアの旗 MF ニコ・シェッペン
16 日本の旗 MF 川中健太
17 カーボベルデの旗 MF トニ・ヴァレラ(Flag of the Netherlands.svg)
18 オーストリアの旗 DF アルバート・ヴァルチ
19 オーストリアの旗 DF デイヴィッド・ハグマン
20 オーストリアの旗 MF アンドレ・ニューマイヤー
No. Pos. 選手名
22 オーストリアの旗 DF イヴァン・リュビッチ
24 オーストリアの旗 GK フィリップ・ペーターマン
25 オーストリアの旗 MF マルセル・トス
28 オーストリアの旗 FW サリー・プライニンガー
29 ドイツの旗 MF ヴェセル・リマイ(Flag of Kosovo.svg)
30 大韓民国の旗 DF キム・ジェウ
31 オーストリアの旗 MF ドミニク・カーシュナー
34 日本の旗 DF ハーフナー・ニッキ
37 オーストリアの旗 DF ノサ・イヨボサ・エドクポロル(Flag of Nigeria.svg)

歴代監督[編集]

2017年5月6日 [26]現在

1990~

スポンサー[編集]

年度 左袖 サプライヤー
2016年7月 インベスターズクラウド 東京西川 ミズノ
2017年3月 国際連合

下部組織[編集]

概要[編集]

ホルンの下部組織はオーストリア6部に所属するセカンドチームとU-7からU-17までのチームがある。

トライアウト[編集]

これまで2度に渡ってSVホルンの日本でのトライアウトをHONDA ESTILO株式会社が主催している。

第1回トライアウト[編集]

  • 一次審査:書類選考(2015年6月14日 - 6月24日)
  • 二次審査:実技試験1(2015年6月30日)
  • 最終審査:実技試験2(2015年7月8日)
    合格者:無し

東京学芸大学に所属していた永井雄介のみが二次審査を通過し、オーストリアでの最終審査にも合格したが、プロ選手としての登録は見送られた[27][28]

第2回トライアウト[編集]

  • 一次審査:書類選考(2015年11月18日 - 12月2日)
  • 二次審査:実技試験1(2015年12月11日)
  • 三次審査:実技試験2(2015年12月25日)
    合格者新井瑞希(当時浦和ユース、契約)、川中健太(当時初芝橋本高校、アマ契約)

歴代所属選手[編集]

GK[編集]

  • オーストリアの旗 ステファン・ミットマサー - 2016
  • オーストリアの旗 ヤロスラフ・カスプリシン - 2016
  • 日本の旗 権田修一 2016

DF[編集]

MF[編集]

  • 日本の旗 矢島倫太郎 2015-2017
  • オーストリアの旗 ダビド・オベロルトナー - 2016
  • オーストリアの旗 ステファン・ラコヴィッツ - 2016
  • オーストリアの旗 マティアス・フェルバー - 2016
  • オーストリアの旗 マーセル・トス - 2016
  • 日本の旗 新井瑞希 2016-2017
  • 日本の旗 川中健太 2016-2018

FW[編集]

脚注[編集]

  1. ^ http://www.svhorn.at/de/verein/news/neuer-starker-partner-f%C3%BCr-den-sv-horn
  2. ^ http://www.svhorn.at/de/verein/news/generalversammlung-neue-vereinsleitung-und-gro%C3%9Fe-ziele
  3. ^ http://www.football-zone.net/archives/56764
  4. ^ https://www.meinbezirk.at/horn/lokales/trennen-sich-die-japaner-vom-sv-horn-d2064479.html
  5. ^ http://www.svhorn.at/de/verein/vorstand
  6. ^ http://www.svhorn.at/de/verein/vorstand
  7. ^ http://www.firmenabc.at/sv-horn-profi-betriebs-gmbh_Mwps
  8. ^ Spannung vor Lizenz-Entscheid www.svhorn.at(2017年4月27日)
  9. ^ Horn deutet an: "Erhalten die Lizenz möglicherweise erst in zweiter Instanz" 90minuten.at(2017年4月27日)
  10. ^ "Bodenständigkeit statt Königsklasse" 90minuten.at(2017年4月28日)
  11. ^ Honda reduziert Investment bei Zweitligist SV Horn transfermarkt.de(2017年4月28日)
  12. ^ Spannung vor Lizenz-Entscheid www.svhorn.at(2017年4月27日)
  13. ^ 20 von 21 Bewerbern erhalten Lizenz in erster Instanz オーストリア・ブンデスリーガ公式HPt(2017年4月28日)
  14. ^ Keine Bundesliga-Lizenz für SV Horn オーストリア国営放送局(2017年4月28日)
  15. ^ Lizenz in erster Instanz verweigert www.svhorn.at(2017年4月28日)
  16. ^ KEINE LIZENZ FÜR DEN SV HORN! meinfussball.at(2017年4月28日)
  17. ^ SV Horn droht Mega-Strafe Sky Sports Austria(2017年4月28日)
  18. ^ どこで活動してもミッションは変わらない 日本経済新聞 2017年9月25日
  19. ^ HONDA ESTILO 株式会社 オーストリア3部SVホルンのクラブ経営に参入!”. SV Horn (2015年6月8日). 2015年6月27日閲覧。
  20. ^ Japanischer Zuwachs im Team des SV Horn”. SV Horn (2015年7月14日). 2015年7月15日閲覧。(ドイツ語)
  21. ^ “SVホルンが札幌FW榊翔太を獲得…オーナー本田圭佑「脅威となる選手」”. サッカーキング. (2015年7月14日). https://www.soccer-king.jp/news/world/world_other/20150714/330609.html 2015年7月14日閲覧。 
  22. ^ “本田圭佑が才能を認めたJリーガー 榊翔太とは”. (2015年7月21日). https://www.youtube.com/watch?v=ntNE-CGRAgo 2015年7月21日閲覧。 
  23. ^ http://www.soccer-king.jp/news/world/world_other/20150728/334812.html
  24. ^ SVホルン、濱吉正則氏が新監督に就任「本田の哲学をクラブに浸透できる人材」 サッカーキング(2016年4月11日)
  25. ^ 本田オーナーのSVホルン、オーストリア3部優勝&2部昇格。本田も祝福フットボールチャンネル(2018年5月25日)
  26. ^ SV Horn » Manager history” (English). worldfootball.net. 2016年5月6日閲覧。
  27. ^ 本田経営のSVホルン、国内トライアウト二次選考通過者はわずか1名」 サッカーキング(2015年7月1日)
  28. ^ トライアウトに合格していた東京学芸大学4年生の永井雄介については登録を見送った サッカーキング(2015年7月28日)