System4 (アリスソフト)

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System4アダルトゲームを手がけるアリスソフトが製作した、Windows上で動作するゲームエンジンであり、アリスソフトが販売するゲームに使用されている。随時バージョンアップが行われていることから System4.xという表現がとられる場合もある。開発環境であるSystem4SDKと共にウェブ上で配布されており(現在は公開を中止)、System4という単語が開発環境を指している場合もある。

概要[編集]

System3がスクリプトに記述されたソースコードの行やラベルに着目してゲームの実行を行う一種のBASIC的なエンジンであったのに対し、System4は構造化/オブジェクト指向化を推し進めた言語となっている。これにより、言語を習得することの難易度は若干上がったと思われるものの、以前より大規模なゲームを整然と記述することが可能になったと思われる(構造化言語オブジェクト指向言語)。

System4はコンパイルされた中間コードを解釈しながらゲームを実行する。JavaのようにユーザーのPC上にVMを設置することで、ゲーム開発者がユーザーのPC環境を意識せずともゲームが正常に動作することを狙っているとされる。このことを指して、仮想OSと表現されることがある。

成立の経緯[編集]

アリスソフトはSystem4を開発するより以前、やはり自社製であるSystem3を利用してゲームを製作・販売していた。このSystem3は元々C言語で記述されており、末期には度重なる機能追加によってコードが肥大化し保守が困難なものになっていたと言われている。この状況を打開すべく、大規模な開発に適した C++言語で一から書き起こされたのがSystem4である。 このメジャーバージョンアップに関しては、C++を習得したプログラマの入社がきっかけの一つであった様である。

System4SDK[編集]

System4SDKには System4とそのコンパイラデバッガ、画像ファイルのフォーマット変換ツール、リファレンスマニュアルとサンプルソースファイル等が含まれる。

ゲーム開発環境の中には、シナリオを記述し、画像ファイルを指定するだけでノベルゲームやアドベンチャーゲームを製作できる簡便なものも存在するが、System4の場合はもっと低級(低級言語と言う場合の「低級」と同様の意味合い)な開発環境となる。サウンドやスプライト等、ゲーム製作に必須と思われる機能が提供される以外に、C(及びC標準ライブラリ)と似たような文字列操作を提供する関数や各種演算子、C++のデータ型やクラス機能に近いものも実装されている。System4本体はDLLを呼び出す機能しか持たず、主要な機能は外部DLLによって提供される。また、System4が持たない機能を補うために外部DLLを追加し、制御を渡すことも可能であり、System4を実質利用せずに外部DLLだけでゲームを完結させることも可能である。

System4SDKは商用・非商用を問わず無償で利用でき、製作したゲームを公開する際にはSystem4エンジンを同梱することが許されている。ただし、System4に関してアリスソフトによる保証・サポートは一切ない。

見方によっては高度なゲーム製作環境であるが、ユーザーによる利用はそれほど盛んではない。理由としては、趣味のゲーム製作においては扱いが簡単なツールが好まれることや、System4を使いこなせる者であれば最初からCやC++を選択するであろうことが考えられる。

なお、System4SDKは当初ユーザークラブ(アリスソフト主催の公式ファンクラブ)において会員に対して配布されていたが2008年春に公開が中止された。ただしSDKのアーカイブは再配布が認められていたため、現在もファンサイトから非公式ながら入手は可能である。