T-28 (航空機)

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T-28 トロージャン

ノースアメリカン T-28

ノースアメリカン T-28

T-28トロージャン(Trojan:トロイア人の意)は、アメリカ軍で使用されたノースアメリカン社製のレシプロエンジン式初等練習機であり、1950年代から1970年代初頭まで運用され、訓練課程オールジェット化構想によってT-37と交替して退役した。

同機は空軍のみならず、海軍航空隊空母航空団)でもフロリダ州ミルトンのWhiting Field基地(英語版)にて初等訓練に使用された。

開発[編集]

T-6 テキサンを代替する初等練習機として設計され、1949年9月24日にXT-28(社内コードNA-159)が初飛行した。強力なエンジンを装備したことで第二次世界大戦中の戦闘機に匹敵する性能を有し、1950年から1957年にかけて1,948機が製造された。

運用[編集]

フランスは、アルジェリア独立戦争にて、現地で再組み立てを行ったT-28フェネックを近接航空支援と哨戒任務に投入した。(これが、COIN機の奔りとなる)

ベトナム戦争ではベトナム共和国南ベトナム)に供与され、南ベトナム空軍パイロット養成訓練の他、南ベトナム民族解放戦線への爆撃任務にもA-1AC-47A-37F-5などと共に投入された。その他、ラオスへの秘密作戦にも投入された。

ザイール(現コンゴ民主共和国)には、当時政府に復帰していたモイーズ・チョンベ支援のためにCIAが供与した。

フィリピンでは、1980年代新人民軍などの反政府武装勢力に対する空爆などにAT-33、F-5A、F-8Pと共に参加した。

航空自衛隊浜松広報館内で展示されるT-28B

日本では、新ジェット練習機T1F1(後のT-1)の開発に際して、デ・ハビランド バンパイアと同じ1956年昭和31年)3月31日にT-28B 1機を6,100万円で購入、実験航空隊にて練習機としての飛行特性・操縦特性・艤装の検討に用いられた。その後1962年(昭和37年)4月1日には偵察航空隊に移管され、後部胴体のバゲージ・コンパートメント(荷室)にフェアチャイルド・K-17C広角カメラを装備して、RF-86Fのカメラ操作訓練のための偵察訓練機として運用された。1963年(昭和38年)にクランクシャフト欠損によるエンジントラブルでハードランディングを起こし、飛行不能となり、部隊での必要性を勘案して修復せずに退役することとなった。

現在はカメラ等を撤去したうえで浜松広報館にて展示されており、2011年平成23年)12月には塗装の修復も行われた[1]

バリエーション[編集]

XT-28
試作機。2機製造。
T-28A
米空軍向けの機体。800馬力(597 kW)のエンジンを搭載。1,194機製造。
T-28B
米海軍向けの機体。1,425馬力(1,063 kW)のエンジンを搭載。489機製造。
T-28C
T-28Bに着艦訓練用の着艦フックを装備した米海軍向けの機体。266機製造。
T-28D
T-28AのエンジンをT-28B/Cと同じ高出力エンジンに換装し、主翼下に片側3ヶ所ずつのハードポイントを装備してCOIN機に改修した機体。 ノースアメリカンで321機、フェアチャイルドで72機の計393機がT-28Aより改修。
AT-28D
米空軍が攻撃訓練に使用していたT-28Dに与えられた識別番号。
RT-28
ラオス王国空軍向けに作られた写真偵察機
フェネック
旧米空軍のT-28Aをフランスのシュド・アビアシオンが再生・改修した機体。

使用国[編集]


仕様(T-28D)[編集]

諸元[編集]

  • 乗員:2名
  • 全長:10.06 m
  • 全幅:12.22 m
  • 全高:3.86 m
  • 翼面積:24.9 m2
  • 空虚重量:2,914 kg
  • 最大離陸重量:3,856 kg
  • エンジン:ライトR-1820-86 1,425馬力(1,063 kW)

性能[編集]

  • 最高速度:552 km/h=M0.45
  • 最高高度:10,820 m

参考文献[編集]

  1. ^ 武田正彦「鮮明写真で蘇る、知られざる航空自衛隊機 ただ一機在籍した ノースアメリカンT-28トロージャン」、『航空ファン』第63巻第3号、文林堂、2014年3月、 72-77頁、 NAID 40019953631

関連項目[編集]