TATSUJIN

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TATSUJIN
ジャンル 縦スクロールシューティング
対応機種 アーケード (AC)
開発元 東亜プラン
運営元 日本 タイトー
アメリカ合衆国 Romstar
プロデューサー 弓削雅稔
プログラマー 弓削雅稔
音楽 弓削雅稔
美術 荻原直樹
清水由美子
人数 1 - 2人(交互プレイ)
メディア 業務用基板(1.28メガバイト
稼働時期 INT 1988101988年10月
デバイス 8方向レバー
2ボタン
CPU MC68000 (@ 10 MHz)
Z80 (@ 3.5 MHz)
サウンド YM3812 (@ 3.5 MHz)
ディスプレイ ラスタースキャン
縦モニター
320×240ピクセル
60.00Hz
パレット2048色
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TATSUJIN』(たつじん、タツジン)は、1988年に稼働開始したアーケード縦スクロールシューティングゲーム。販売はタイトー、製作は東亜プラン[1]。日本国外名は『TRUXTON』。

1989年にメガドライブ、1992年にPCエンジンに移植されて発売された。

アーケード版は、ゲーム誌『ゲーメスト』の企画「第3回ゲーメスト大賞」(1989年度)にて読者投票によりベストシューティング賞で4位、年間ヒットゲームで16位を獲得した他、ゲーメストムック『ザ・ベストゲーム』では43位を獲得した。

後に続編として『達人王』(1992年)がリリースされている。

概要[編集]

長らくタイトーに販売を委託してきた東亜プランは、本作のリリースを皮切りに自社ブランドを前面に押し出し、「東亜系シューティング」のスタイルを確立してゆく。日本国内でのセールスは非常に好調で、その理由として開発者の弓削雅稔は当時のテーブル筐体の画面を覆い尽くす5本のサンダーレーザーのインパクトを挙げている。一方で海外での評価は芳しくなかったという[2]

サンダーレーザーの他、本作で登場した特徴的なシステムとしては「ボンバー」(達人ボム)がある。『TATSUJIN』の名の通り、本作は達人シューター向けの高難易度でも知られるが、達人ボムの採用はその相殺という一面もある。ボンバーというシステム自体は東亜プランの『タイガーヘリ』が初出だが、ボタンを押してからボンバーが発動するまでにタイムラグがあった『タイガーヘリ』に対し、ボタンを押した瞬間に即発動する(本作では若干のラグがあり、デモで被弾後にボムが爆発するものがある)ボンバーが採用されたのは本作がゲーム史上初である[3]。攻撃よりも防御、戦略性よりも緊急回避性を重視したこのタイプのシンプルなボンバーは以後登場するほぼすべてのシューティングゲームで採用されている。

高難易度とそれを相殺するボム、ボタンを押しただけで敵を倒せるシンプルさ、武器のビジュアル的なインパクトという、以後のほぼすべてのシューティングゲームで踏襲される要素を確立した本作は、近代シューティングの基礎を築いた作品であるとゲームライターの箭本進一は評している[4]。作品の5割以上をパターン作成で乗り切れるゲームの法則性から、ある程度シューティングゲーム慣れしていない層にも取り組みやすい作品であった[1]

一方で、本作以後の東亜シューティングを含めたシューティングというジャンルはますます高い難易度とビジュアルインパクトを追求し、結果的にマニア向けのジャンルと化すこととなる。

ゲーム内容[編集]

システム[編集]

8方向レバーで自機を操作し、メインショット(空中、地上どちらも攻撃可能)と達人ボム(いわゆるボンバー)を駆使し1面あたり40エリア(画面)全5面の全200エリアを攻略する[5]。道中の5体のボスを倒すごとに通常BGMが変わるため、メガドライブ版では5ステージ構成としている。ボスでミスすると一定の復活ポイントまで戻される。敵や地上物を倒すと様々な効果を持ったアイテムが出現し、それを取得することによって様々な効果が得られる。

パワーアップアイテム[編集]

それぞれの文字が書かれたアイテムを取得することにより様々なパワーアップを行う。

P
このアイテムを5個取得するとショットボタンで発射する武器が1段階パワーアップする。最高2段階まで。自機がやられても4個まではストックが効く。ただし最高段階までパワーアップしてしまうとそれ以上ストックができない。
通常は本アイテムの色はシルバーだが、4個ストックした状態(あと1つ取ればパワーアップする状態)のときはピンクになる。
S
取得するごとに移動速度が上がる。4個で最高速になり、5個目からは5000点のボーナス得点となる。
B
達人ボムを1発補給する。基本的にボタンを押したその場で効果を発動させるタイプなので緊急回避や弾消しに重宝するが、ダメージを与える場合、近距離で使用する必要がある(アーケード版は自機を中心にボムが作用する、メガドライブ版は画面を中心にボムが作用し、画面全体に均等にダメージを与える)。ごく僅かなタイムラグがあるため、自機がやられた直後に爆発することもある。自機を中心に巨大なドクロ状の爆炎を起こす[1]。10発までストック可能。残り使用可能数は画面右下にドクロマークを並べて表示する(メガドライブ版はスコアやボム数などの情報を右側の帯状のエリアに表示される)。10個ストックされた状態で取ると5000点のボーナス得点となる。
1UP
自機を1機追加。特定の武器でしか壊せない地上物に入っている。全3箇所。1回取ると次以降の周ではショットアイテムに変化する。
2UP
自機を2機追加。一定エリア連続ノーミス時にゲーム中1回に限り出現する。最初からノーミスの場合、3面の最初のアイテムキャリアが2UPになる[6]。なお、1UPと2UPは他のアイテムと違い、その場に留まらずに空中を浮遊する。

武器チェンジアイテム[編集]

メインショットは取得する武器チェンジアイテムの色によって3種類に変更することが可能[7]。装備している色と同じ色のアイテムを取るとボーナス得点が入る。武器チェンジするタイミングによって敵の硬さを変えることができる。

赤アイテム(パワーショット)
扇状に3WAYのバルカンを撃つ。パワーアップにより3方向の弾がそれぞれ3発×3WAY→5発×3WAY(MD版では9WAY→9WAY+バリア)になる[1]。敵を貫通しない性質で、近距離で撃つと複数のショットが集中して当たるため、敵に効率的にダメージを与えられる。ショット一発の威力が弱いため、遠距離で耐久力ある敵には苦戦する。
緑アイテム(達人ビーム)
短いビームを真正面に発射する。耐久力の小さい敵は貫通して破壊する。パワーアップにより3連装→5連装になる。直線的な武器であるため、横からの攻撃には苦戦を強いられる。
青アイテム(サンダーレーザー)
稲妻状の途切れの無い長いレーザーを発射する。ショットボタンを押しっぱなしにすることにより継続で発射される。耐久力の小さい敵を貫通し、耐久力の大きい敵に対しては破壊するまでロックオンし続ける。パワーアップにより3連装→5連装になる。ロックオンすると自機めがけて突っ込んでくる敵もいる。敵を追尾するので、プレイヤーの意図する敵に攻撃を当てられないという難点があり、プレイには時に工夫が必要[1]

移植版[編集]

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 売上本数 備考
1 TATSUJIN 日本 198912091989年12月9日
アメリカ合衆国 1989年
ヨーロッパ 1990111990年11月
メガドライブ 東亜プラン セガ 4メガビットロムカセット[8] 日本 G-4020
-
2 TATSUJIN 日本 199207241992年7月24日
PCエンジン 東亜プラン タイトー 4メガビットHuCARD[9] TP-04022 -
メガドライブ版
  • 開発は東亜プランで販売はセガで発売された。上述の通り、パワーアップに多少のアレンジがなされており、EDもオリジナルのものが盛り込まれた。東亜プランのメガドライブ初参入作品であり、メガドライブ用ソフトとしては初期の作品である。以後、東亜プランが開発したコンシューマ作品がメガドライブのみでの供給なのは、当時の東亜プランがコンシューマを重視していなかったことと、メガドライブのCPUがアーケード版と同じMC68000を使用していたからである[10]。サウンドのテンポが異様に早いのは、弓削がメガドライブのサウンドの仕様を知ったのがマスターアップ直前で、調整不足だったためである[11]。実際はPALのフレームレートで作られており、NTSC出力では1.2倍のスピードで動作してしまっている結果である。
  • 画面が狭く感じられる難点はあるが、画面内にステージ情報が追加されているため現在プレイ中のステージが明確にわかるようになっているという改善点もあり、ステージ構成はアーケード版の頃から明確な区切りがあったことが分かる。総合的に見ると、移植度は高いという評価が一般的である[1]
PCエンジン版
  • タイトーよりPCエンジンHuCARD用で発売。移植の発表はメガドライブ版の発売と同時期であったが、発売までにはおよそ2年半ほどの時間を要した。メガドライブ版では割愛されていたパワーショットの15連ショットが使用可能。業務用には無かったショットが2段階レベルであってもPアイテムがストックできる仕様や、オリジナルのED等が盛り込まれた。タイトーが以前発売したPCE版の究極タイガーと同じ横画仕様での移植だが、裏技のオプションモードの拡張により縦画面風にしても遊べる。BGMは女神転生シリーズのBGMの作曲で知られる増子司が手掛けていた。

スタッフ[編集]

アーケード版
  • 企画:弓削雅稔
  • プログラム:弓削雅稔
  • デザイン:荻原直樹、清水由美子
  • 作曲:弓削雅稔
メガドライブ版
  • スタッフ:弓削雅稔、K.IWABUCHI、中岡慎太郎、N.SAWADA、たかたゆうこ
PCエンジン版
  • プロデュース:高橋章二
  • プログラム:國廣豊史
  • グラフィック:高瀬努、牛久宏治
  • サウンド:SHOTARO
  • スーパーバイザー:やまざきこうじ
  • バグ・チェッカー:SUIT

評価[編集]

評価
レビュー結果
媒体結果
AllGame3/5stars(AC)[12]
Computer and Video Games94%(MD)[13]
ファミ通27/40点(MD)[14]
21/40点(PCE)[15]
メガドライブFAN18.09/30点(MD)[8]
MegaTech82%(MD)[16]
Mean Machines82%(MD)[17]
Zero87%(MD)[13]
Raze85%(MD)[13]
Aktueller Software Markt7/12点(MD)[13]
月刊PCエンジン80/100点(PCE)
マル勝PCエンジン30/40点(PCE)
PC Engine FAN20.82/30点(PCE)[9]
(総合278位)
BEEP!メガドライブ32/40点 (MD)[18]
受賞
媒体受賞
第3回ゲーメスト大賞ベストシューティング賞4位[19]
年間ヒットゲーム16位[19]
ゲーメストザ・ベストゲーム 第43位[20]
(1991年)
アーケード版

ゲーム誌『ゲーメスト』の企画「第3回ゲーメスト大賞」(1989年度)で、読者投票によりベストシューティング賞で4位、年間ヒットゲームで16位を獲得している[19]。また、1991年にそれまで稼働されていたアーケードゲーム全てを対象に行われた『ゲーメスト』読者の人気投票によるゲーメストムック『ザ・ベストゲーム』では43位を獲得した[20]

メガドライブ版
  • ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、6・8・7・6の合計27点(満40点)となっており[21][14]、レビュアーの意見としては、「難易度は、かなり高い。(中略)完成度はかなり高いのだから、もう少しユーザーのターゲットを広くしてもいいんじゃないかと思う」などと評されている[21]
  • ゲーム誌『メガドライブFAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、18.09点(満30点)となっている[8]。同雑誌1993年7月号特別付録の「メガドライブ&ゲームギア オールカタログ'93」では、「その達人級の難易度で話題となった業務用からの移植。メガドライブ版でもその高い難易度は健在で、5周目まで用意されているエンディングをすべて見るのは至難の業。また派手なパワーアップにも注目」と紹介されている[8]
項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 2.84 2.94 3.31 3.24 2.94 2.82 18.09
  • ゲーム誌『BEEP!メガドライブ』の「BEメガ・ドッグレース」では7、7、9、9の合計32点(満40点)[18]。レビュアーは完成度、移植度は高く難易度ついて設定で敵の弾数だけでなく硬さまで変えられるのが大変良いとした者や遊びやすいとした者、高難易度なためシューティングが苦手な人には勧められず好みな人向けだとした者がいた[18]
  • MegaTechはオリジナリティが欠けているのはよくわかるが「それは十分なアクション、スピードと興奮を提供する確かな楽しさがある」と述べた。Mean Machinesは本作を「純粋で飾り気のない楽しいアーケードの好例」だと結論付けた[22]
PCエンジン版

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では7・5・4・5の合計21点(満40点)[15]、『月刊PCエンジン』では80・85・80・75・80の平均80点(満100点)、『マル勝PCエンジン』では6・9・8・7の合計30点(満40点)、『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、20.82点(満30点)となっている[9]。また、この得点はPCエンジン全ソフトの中で278位(485本中、1993年時点)となっている[9]。同雑誌1993年10月号特別付録の「PCエンジンオールカタログ'93」では、「業務用からの移植作。難易度の高さと、自機と敵の攻撃の派手さは、まさにシューティングの達人向け」と紹介されている[9]

項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.45 3.64 3.68 3.77 3.27 3.00 20.82

備考[編集]

  • 本作の特徴の一つである達人レーザーのデザインは、開発者の弓削雅稔によれば、当時寝ぼけて頭をぶつけた衝撃で目が覚めた時に、頭の中で光ったイメージが画面を覆い尽くすサンダーレーザーであったとコメントしている。当時の弓削は寝る時にはそばにメモを置いておき、夢で見た物で使えそうなものは忘れないようにメモしており、サンダーレーザーの案も後でデザイナーにメモを見せて採用した[23][24]
  • フジテレビ系列バラエティ番組ウッチャンナンチャンの誰かがやらねば!』(1990年)では、番組内の1コーナーである「ナンチャンを探せ!」で、本作並びに同社の『ワードナの森』(1987年)のBGMが使用されていた。
  • 2018年にプレイステーション4用SHTゲーム『ゲーム天国 CruisinMix Special』がリリースされた際、本作とのコラボ企画が実現、このゲームにTATSUJINの自機が登場した[24]

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e f 株式会社QBQ編 『懐かしのメガドライブ 蘇れメガドライバー !!』マイウェイ出版発行、2018年。ISBN 9784865118704 p26-27
  2. ^ シューティングゲームサイド vol.4』マイクロマガジン社、p.42
  3. ^ 『シューティングゲームサイド vol.4』p.22
  4. ^ 『シューティングゲームサイド vol.4』p.10
  5. ^ 『メガドライブのすべて』p.20
  6. ^ 『メガドライブのすべて』p.21
  7. ^ 各武器の基本的な性質は『メガドライブのすべて』p.21参照
  8. ^ a b c d 「7月号特別付録 メガドライブ&ゲームギア オールカタログ'93」『メガドライブFAN』第5巻第7号、徳間書店、1993年7月15日、 61頁。
  9. ^ a b c d e 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、 83頁。
  10. ^ 但しスノーブラザーズは、ファミコン版が東亜プランから発売されている。
  11. ^ 『シューティングゲームサイド vol.4』p.48
  12. ^ Truxton for Arcade (1988)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月20日閲覧。
  13. ^ a b c d Truxton for Genesis (1989)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月20日閲覧。
  14. ^ a b TATSUJIN まとめ [メガドライブ]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年11月21日閲覧。
  15. ^ a b TATSUJIN まとめ [PCエンジン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2018年5月20日閲覧。
  16. ^ MegaTech rating, EMAP, issue 5, page 79, May 1992
  17. ^ Out-of-Print Archive • Mega Drive/Genesis reviews • Truxton
  18. ^ a b c 「BEメガ・ドックレース」『BEEP!メガドライブ』、ソフトバンク、1990年2月、 67頁。
  19. ^ a b c 「ゲーメスト大賞11年史」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、 20 - 21頁、 ISBN 9784881994290。
  20. ^ a b 「最も愛されたゲームたち!! 読者が選んだベスト30」『ザ・ベストゲーム 月刊ゲーメスト7月号増刊』第6巻第7号、新声社、1991年7月1日、 63頁、 雑誌03660-7。
  21. ^ a b ファミコン通信』第1・2合併号、アスキー、1990年1月5日。
  22. ^ Truxton - Sega Megadrive - Mean Machines review
  23. ^ OBS(おにたま放送局)「FM音源ドライバーズサミット 東亜プラン」より。
  24. ^ a b 『ゲーム天国CruisinMix Special』開発陣が語る『TATSUJIN』とのコラボの経緯とシューティングに対する溢れる想い”. ファミ通.com(株式会社Gzブレイン) (2018年10月9日). 2018年10月22日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

  • TATSUJIN (企業) - 2017年に設立された企業。本作のメインスタッフである弓削雅稔が代表取締役を務めており、東亜プラン(旧社)のゲームIPを扱う事が可能としている(上記『ゲーム天国』とのコラボにも協力している)。