TETRIS 99

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
TETRIS 99
ジャンル 落ち物パズルゲーム
対応機種 Nintendo Switch
開発元 アリカ[1]
発売元 任天堂
人数 1人
2 - 99人(インターネット通信時)
メディア ダウンロード配信
発売日 ダウンロード版
アメリカ合衆国の旗 2019年2月13日
日本の旗欧州連合の旗 2019年2月14日
大韓民国の旗台湾の旗香港の旗2019年4月23日
パッケージ版
日本の旗 2019年8月9日発売
アメリカ合衆国の旗 2019年9月6日発売予定
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
ESRBE(6歳以上)
PEGI3
USK:0
ダウンロード
コンテンツ
あり
エンジン NintendoWare Bezel Engine
テンプレートを表示

TETRIS 99』(テトリス・ナインティナイン)は、任天堂2019年2月14日に配信を開始したNintendo Switch用ゲームソフト。

有料オンラインサービスであるNintendo Switch Onlineの加入者向けに追加料金無しで提供されていたが、同年5月10日からは有料追加コンテンツを導入した場合は、オンラインサービスに加入しなくてもオフラインモードはプレイ可能となった[2]

2019年8月9日Nintendo Switch Online利用券(個人プラン12ヶ月)付きのパッケージ版が発売。追加コンテンツ「コンプリートパック」が付いている(第2弾は同年9月5日のアップデートで追加)[3]

ゲーム内容[編集]

オンライン対戦用のテトリス。画面上には98人の対戦相手のプレイ画面(中央の自分のフィールドの左右に49人ずつ)が表示され、プレイする99人との対戦で最後1人の生き残りを目指す[4]

6個先までのテトリミノが表示され、1個ホールドしておくことができる。ラインを複数、または連続で消すと相手プレイヤーのラインをせり上げる攻撃(フィールド左の枠にせり上がる量とそれまでの猶予時間)が出来る。
ラインせり上げの攻撃対象は、任意で選択する方法(スティック操作および画面のタッチ)と「作戦」に沿って自動で指定する方法がある[5]

相手がゲームオーバーになると、最後にラインを送ったプレイヤーが「K.O.」したことになる(プレイヤーがK.O.した相手は金色のマーク、それ以外は灰色で表示される)。K.O.したプレイヤーにはバッジが手に入り、さらに相手が持っていたバッジを総取りする。

バッジの数や自分を狙っている相手の数に応じて、ラインせり上げ数がアップしていく。ただし所持しているバッジの数は他のプレイヤーからも可視化されており、レーン上部に表示される(25パーセントごとに4つ区切りで表示)。

残り人数の減少や、時間経過と共に、落下速度がアップし始める。

通常BGMは『コロブチカ』、対戦で残り10人になると『熊蜂の飛行』に変化する。

K.O.された後は次のゲームのマッチングに移ることも出来るが、最終順位確定まで観戦を続けることも可能。成績に応じて得られる経験値を貯めることでプレイヤーランクが上がるほか、定期的にオンラインイベントも開催されている。

カスタマイズでテーマ(テトリミノや背景、BGMが変化する)やエンブレムの変更が可能。オンラインイベントではオリジナルテーマが入手できることがあるほか、2019年9月5日の更新からはデイリーミッションで入手したチケットを使用することでテーマを入手することができるようになった[6]

作戦[編集]

上記のとおり、自分で相手を指定して攻撃しない場合は、これらの作戦を選択することで自動的に攻撃対象を選ぶ。カウンターの場合、対象が複数なら全てに付く)、自分が狙われている場合は相手から自身のレーンの下段にある「CAUTION!!」にラインが結ばれる。

とどめうち
ブロックが高く積もり、ゲームオーバーになりそうなプレイヤーを指定。ピンチになっている相手レーンの背景が赤くなるため、そこを優先して攻撃する。
確実にK.O.しバッジを堅実に集めることはできるが、反面バッジがどんどん蓄積するため、長時間続けていると「バッジねらい」を受けやすい。
また、ピンチ状態になるほど高く積んだプレイヤーにはとどめうちによる狙いが集中しやすくなるため、「カウンター」による反撃のリスクも高い。
バッジねらい
バッジを多く持っているプレイヤーを指定。
バッジを所有している相手は攻撃力が上昇しており強敵であることが多いため、さらに強くなる前に倒して自分が強くなる、もしくは自分がバッジトップを維持する方針。ただし、バッジによる攻撃力を得た相手にさらにカウンターの攻撃力アップが重なったときのリスクは相応に大きい。
カウンター
自分を狙っているプレイヤー全員に攻撃を仕掛ける。複数人への攻撃ができる唯一の作戦だが、これにより攻撃力が等分されることはない。
そのため、とどめうちやバッジねらいなどで集中砲火にあっている時は、この作戦で一気にたくさんの相手をK.O.するチャンスとなる。
ランダム
ランダムでプレイヤーを指定。
無作為に攻撃相手を選ぶためカウンター(特に集中砲火時の強力な反撃)を回避しやすいが、その代わりにバッジを集めづらい。

有料追加コンテンツ[編集]

CPUバトルモード
オフラインで98人分のCPUと対戦するモード[2]。有料追加コンテンツ第1弾のひとつ。
マラソンモード
オフラインで一定ライン数(150または999)のクリアを目指すモード。有料追加コンテンツ第1弾のひとつ。
敵からの攻撃が一切存在しない代わりに、10ラインを消すごとにレベルアップし、落下速度が上がって行く。150ラインモードの時のみ、ゲーム開始時のレベルを変更可能[2]
TETRIS 99 VIP
一度でもTETRIS 99モードで優勝したことがあるプレイヤーのみ参加できる上級モード。他のモードと比べてゲームスピードがはるかに速くなっている。また、残り人数が10人になると強制的に専用の背景に変化する。
もちよりバトル
ローカル通信でCPUとの対戦に最大8人まで同時参加可能なモード。有料追加コンテンツ第2弾のひとつ。
シェアバトル
Joy-ConのおすそわけプレイでCPUとの対戦に2人で参加可能なモード。有料追加コンテンツ第2弾のひとつ。

開発[編集]

経緯・スタッフィング[編集]

本作は、『メトロイド』シリーズ等の開発に携わった中田隆一がディレクターを務めた[7]。 2018年4月、任天堂の企画会議の中でバトルロイヤルゲームの流行について触れられた際、中田が別の場所でテトリスの新作を希望する声があったことを思いだし、この2つを結びつけたゲームの開発を提案した[7]。この提案は、他の会議の参加者にとっては想像がしにくかったため、中田はすでに組み立てていた「自プレイヤーのプレイ画面が中央にあり、その周囲に他プレイヤーのプレイ画面が並ぶ」というイメージを仮画面として会議のメンバーに作らせ、全員に見て貰ったところ好評を得、本作の開発が決定した[7]。 この時点では、ゲームとしての仕様は固まっておらず、バトルロワイヤルゲームの研究も企画が通った後に行われた[7]。また、仮画面では100人での対戦を想定していたが、画面構成および見栄えの都合上、1人減らした99人に変更された[7]

テトリスの版権元であるブループラネットソフトウェア(BPS)には開発中である旨を早い段階で伝えていたものの、テトリスでバトルロワイヤルを行うという具体的なアイデアを伝えたのは本作の配信の直前になってからだった[7]。BPS側はこのアイデアに驚いていたものの、テストプレイを通じてアイデアを肯定的に受け止めた[7]

本作のプロデューサーには『ポケットモンスター』シリーズに長年携わってきた木梨玲が起用された[7]。木梨は99人でのテトリス対戦がゲームとして面白いのか不安視していたが、『テトリス ザ・グランドマスター』などの開発実績を持つアリカに相談したところ、1ヶ月もたたないうちにプロトタイプが完成し、テストプレイへと移行した[7]

テストプレイ[編集]

2018年7月頃から配信直前まで、大人数でのテストプレイが定期的に行われ、途中から毎週3時間99人によるテストプレイも行われた[7]。 テストプレイには、アリカや企画会議のメンバー、さらには任天堂のデバッグ・テストプレイ専門会社マリオクラブが参加した[7]。レポートやヒアリングを通じてフィードバックが集められ、時には同じ会議室に集まってテストするときもあった[7]。 最初は99人での対戦ができるものだけだったが、それでも本作独自の面白さを感じたと木梨は4Gamer.netとのインタビューの中で振り返っている[7]

テストプレイ初期は、攻撃相手をスティックやタッチで選択する仕様だったが、テトリミノを組むのに精一杯なプレイヤーは攻撃相手を選択する余裕が無いことから、自動で攻撃相手を選択する「作戦」機能が追加された[7]。作戦候補は8つあったが、「とどめうち」「バッジねらい」「カウンター」「ランダム」の4つに決定した[7]。 没となった作戦候補のうち、同じ作戦を選択しているプレイヤーと1対1の戦いに持ち込む「タイマンうち」は、本作のバトルロイヤルというコンセプトにそぐわないという意見が多く寄せられたことから没となった[7]。また、テトリミノをまとめて消して、相手の攻撃を無効化する「シールド」は、この作戦だけを使うテストプレイヤーが現れたことから攻撃の応酬が発生せず、ゲームの進行が停滞することから、不採用となった[7]。また、木梨の予想以上に、積極的に相手に攻撃しに行くのでは無く、目立たないように攻撃を避けながら順位を上げるテストプレイヤーの数が多かったことも試合の膠着につながっていたため、倒した相手から「K.O.バッジ」を奪って攻撃力を上げるシステムが導入された[7]

採用された作戦についても、リスクとリターンを念頭に置いた調整が施された[7]。たとえば、「カウンター」は多くの相手に狙われて理不尽な思いをさせないように、狙われた人数によって攻撃力を上げるシステムが追加された[7]。これにより、ピンチになったプレイヤーを攻撃する「とどめうち」で複数のプレイヤーから狙われた場合、「カウンター」で強力な反撃が出来るようになった[7]

そして、2018年10月に、本作の試作版が完成した[7]

任天堂では大規模なオンライン対戦の経験が無いことから、当初木梨は通信については不安視していたものの、設計の段階から確実な方針を立てた上で、社内のサーバ担当者とも打ち合わせを重ね、試作版ができあがるころにはしっかりとした通信環境が整っていた[7]。これにより、製品版配信後も、オンラインゲームにありがちなサービスイン直後のトラブルは発生しなかった[7]

製品版の配信へ[編集]

試作版ができあがった後、製品化に向けてのブラッシュアップが行われた[7]。 木梨は、この段階で苦労したこととして、イベントの仕組み作りを挙げており、世界規模でイベントを行うことを考えていたため、各国の言語に対応したテキストの用意や、法務面での調整などが必要だったと4Gamer.netとのインタビューで述べている[7]

木梨はβテストの開催も検討したが、βテスト後にサーバーが止まって正式サービスのアナウンスが流れたらプレイヤーが落胆すると考え、βテストなしで配信することに決めた[7]。また、触っていくうちに理解して欲しいという考えから、あえてゲーム内では詳細なルールの説明をしなかった。4Gamer.netはこの方針について任天堂らしいと評している[7]。 構想から1年足らずの2019年2月14日、本作の製品版が配信され、それから間もない2019年3月8日には初のイベント「テトリス99配信記念 テト1カップ」を実施した[7]

反響[編集]

コミュニティの反応[編集]

本作はプレイヤー達から好意的に受け止められた[7]。 また、プレイヤーの中には作戦の仕様を理解したうえで解説動画を投稿する者もおり、木梨はこの活動についてうれしい想定外だとしている[7]

脚注[編集]

  1. ^ Tetris 99 for Nintendo Switch - Nintendo Game Details” (英語). Nintendo of America. 2019年2月14日閲覧。
  2. ^ a b c 『テトリス99』プレイヤー必見! テトリス35周年記念イベント開催 & 有料追加コンテンツで新モードが登場”. 任天堂 (2019年5月10日). 2019年5月10日閲覧。
  3. ^ 『テトリス 99』Nintendo Switch Online利用券が付いたパッケージ版発売決定! 「第4回テト1カップ」今週開催! | トピックス|Nintendo”. 任天堂ホームページ. 2019年6月21日閲覧。
  4. ^ 【Nintendo Direct】任天堂の「テトリス」が帰ってきた! 99人でのバトルロイヤル「テトリス99」”. GAME Watch (2019年2月14日). 2019年2月14日閲覧。
  5. ^ Switch『テトリス 99』最速プレイレビュー! お手軽サクサクなバトロワ界の新星は、やめどき行方不明な魔性のゲームだった”. ファミ通.com (2019年2月14日). 2019年2月14日閲覧。
  6. ^ 『テトリス 99』がアップデート! VIP部屋やデイリーミッション追加、第2弾追加コンテンツも”. ファミ通.com. Gzbrain (2019年9月5日). 2019年9月9日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae 箭本進一 (2019年5月16日). “99人で戦うバトロワ系テトリス「TETRIS 99」はどのようにして生まれたのか。任天堂のキーマンにリリースまでの道のりなどを聞いた”. 4Gamer.net. Aetas Inc. 2019年8月23日閲覧。