Tu-214 (航空機)

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Tu-214(1997年撮影)

Tu-214(ツポレフ214;ロシア語:Ту-214トゥー・ドヴィェースチ・チトィーリェ)は、ロシアツポレフが開発した双発旅客機である。

概要[編集]

Tu-214はTu-204-100の最大離陸重量を引き上げた発展型であり胴体延長型でもある。同様に開発されたTu-204-200との決定的な違いは、主翼の前にある胴体の左側のドアの大きさとL2ドアが乗降用ドアとなっている点である。従来はTu-204-200と呼称されていたが、現在は区別されるようになった。

製造はTu-204-200を生産しているアヴィアスタル-SPではなく、カザンカザン航空機製造合同英語版で実施されている[1][2]。両方の工場ともツポレフ設計局とは独立しておりそれらの生産機種の設計をある程度管理できる。17機が製造されたが、製造・販売コストの高さから2010年4月13日にカザンは商用型の製造を中止した[3][4]

軍用型としては電子偵察機のTU-214RやTu-214OHなどがあり、政府向けの特殊型も存在する。

Tu-214R[編集]

Il-20Mの後継となる電子偵察型で、2009年に初号機が初飛行した[5]。開発などの遅れからロシア連邦軍参謀本部情報総局と裁判沙汰となるなどしたが[6]、2018年に研究開発が完了する予定[7]

2012年12月17日には飛行試験のためTu-214Rが日本の領空に接近し、航空自衛隊F-2AF-15J緊急発進した[8]。この際の試験では、Tu-214Rは低速飛行時の安定性が悪く、偵察任務の為にそのエリアを哨戒飛行し、調査を行なうといった仕事には向いていないという結果が得られたため、調達の中止が検討された[9]。これを受け改良がされたようで2機目のRA-64514は外観が生じている。RA-64514は2015年ウクライナとの国境近くで試験飛行を実施したことがFlightradar24で確認されている[10]

派生型[編集]

Tu-214F
貨物機型。計画中。
Tu-214C3
コンビ型(貨客混載型)。計画中。
Tu-214PU
空中コマンドポスト型[11]。2機が運用中である。
Tu-214ON
1992年にNATOと旧ワルシャワ条約機構加盟24カ国が合意した軍備に関する相互査察飛行を行うオープンスカイズ条約英語版にのっとり開発された航空機。条約により許可された範囲内でのデジタル空中機器、テレビや赤外線カメラ、側方レーダー、デジタルコンピュータシステムと航法サポートシステムが組み込まれている[12]。2011年6月1日初飛行。
Tu-214K
空中コマンドポスト型。特殊な窓から航空カメラ(AFA)で対象地域を撮影して情報をSPDD遠距離データ伝送システムにより伝送可能[13]
Tu-214SR
大統領専用機との通信中継を行う特殊な派生型。機体上面にアンテナを納めたシュラウドが付いている。
Tu-214R
Il-20Mの後継となる電子偵察機ELINT/SIGINT/COMINT/SAR機材を含むMRC-411電子情報収集パッケージを胴体側面の主翼前後と胴体上部と下部のアンテナドームを搭載した。マルチスペクトルの電気光学偵察機材も装備される。搭載するレーダーは9-12kmの高さから250km先の目標を捕捉できる[14]
対潜哨戒機型
Il-38とTu-142の後継として提案されていた対潜哨戒機型[15]

運用[編集]

ダリアビア航空のTu-214(機体番号:RA-64510、2007年5月3日)。
ハバロフスク行きチャーター便のために熊本空港へ飛来した。

Tu-214が初飛行したのは1996年3月21日であったが、開発が著しく遅れたため量産型初号機が飛行したのは2001年4月10日のことであった。その後ロシアの航空会社に引き渡されて就航している。このクラスの旅客機では新品の価格が世界で最も安いものの、ボーイングエアバスといった強力なライバルがいる市場と重なっているため、ロシア市場においても苦戦している模様である。

民間[編集]

Tu-214を運用する航空会社は: ロシア航空 (5), トランスアエロ航空 (3) とエアスターズ英語版 (2)である。トランスアエロ航空はさらに7機追加発注している[16]

日本には、ダリアビア航空Tu-154を代替したTu-214を用いて、ハバロフスクからの青森便と新潟便を運用していたほか、チャーター便も飛来することもあった。ダリアビア航空がウラジオストク航空に吸収合併され定期便が廃止された後も、チャーター機が飛来したこともある。

軍用[編集]

Tu-214SRは、2009年6月に2機が就役しロシア航空が運用している。

Tu-214Rはロシア空軍が2機(機体番号RA-64511 シリアル番号42305011、機体番号RA-64514、シリアル番号42305014)を運用している。ただし民間機登録番号「RA-64511」を冠していることから、民間機をチャーターする形で運用しているようである。

オープンスカイ条約用のTu-214ONもロシア空軍が運用しており、2機(RF-64519とRF-64525)が製造されている。2018年5月21日から29日にかけて、Tu-2140N機の調査の第1段階を実施する予定で機体と監視装置の技術能力の予備的なデモンストレーションを行う。これにはヨーロッパ、アメリカ、カナダの参加者20名が参加する予定[17]

諸元[編集]

脚注[編集]

  1. ^ PSC «Tupolev» – MAKS 2005
  2. ^ Kazan Aircraft Production Association (KAPO) n.a. Gorbunov – Russian Defense Industry
  3. ^ Ту-214 не долетели до «Трансаэро»
  4. ^ "РБК daily": Из-за высокой стоимости производства продажи Ту-214 приостановлены.
  5. ^ Fielding of Russian Special-Mission Aircraft Delayed Until 2013-2014
  6. ^ Блогеры и споттеры раскрыли военную тайну Казанского авиазавода
  7. ^ Источник назвал сроки завершения работ по самолету-разведчику Ту-214Р
  8. ^ ロシアの最新鋭偵察機が日本領空に接近、偵察設備のテストか
  9. ^ Минобороны планирует отказаться от закупки самолета-разведчика Ту-214Р
  10. ^ A new Russian spyplane skirted the airspace of eastern Ukraine today
  11. ^ Russian president takes first flight in new Tu-214PU
  12. ^ Ту-214 ОН – флагман флотилии «Открытого неба»
  13. ^ У Минобороны появится новый летающий командный пункт
  14. ^ Разведывательный долгострой показал личико
  15. ^ Tupolev offers naval patrol variant of Tu-214
  16. ^ Tu-204/214 registry | Tu-204/214 production list”. russianplanes.net. 2010年11月13日閲覧。
  17. ^ Самолет Ту-2140Н с цифровой камерой выполнит наблюдательный полет над США