UFOが釧路に降りる

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UFOが釧路に降りる』(ユーフォーがくしろにおりる)は、村上春樹短編小説

概要[編集]

初出 新潮』1999年8月号
収録書籍 神の子どもたちはみな踊る』(新潮社、2000年2月25日)

村上は『新潮』1999年8月号から12月号まで、「地震のあとで」と題する連作の短編小説を続けて掲載した。本作品は8月号に発表されたその1作目。

英訳[編集]

タイトル UFO in Kushiro
翻訳 ジェイ・ルービン
初出 ザ・ニューヨーカー』2001年3月19日号[1]
収録書籍 after the quake』(クノップフ社、2002年8月13日)

各国語の翻訳の詳細は「神の子どもたちはみな踊る#翻訳」を参照のこと。

あらすじ[編集]

「地震」から五日のあいだ、小村の妻はすべての時間をテレビの前で過ごした。小村の知る限りでは神戸近郊には妻の親戚や知り合いは一人もいなかったが、それでも彼女は朝から晩までテレビの前を離れなかった。地震から五日後の日曜日、小村が仕事から家に帰ると妻の姿は消えていた。残された手紙には「もう二度とここに戻ってくるつもりはない」と書いてあった。その後妻の実家がある山形から離婚届が郵便で届き、小村は印鑑を押してそれを送り返した。

秋葉原にあるオーディオ機器専門店に勤める小村はとくに考えもなく、一週間の有給休暇をとる。ところへ同僚の佐々木にある用事を頼まれる。北海道釧路市までひとつの小さな荷物を持ち運び、妹に渡してくれないかという頼みだ。もしやってくれるのなら往復のチケット代くらいは喜んで出すし、宿泊する場所もこちらで手配するという。

釧路の空港で小村は二人の若い女に出迎えられた。一人は佐々木の妹で佐々木ケイコといい、一人はケイコの友人でシマオさんといった。街道沿いにあるラーメン屋で、小村は妻が地震の五日あとに出ていったことを話した。ケイコは「私の知り合いにも、一人そういう人がいた」と言った。「サエキさんっていう人がいるんだ。釧路に住んでいて、40くらいで、美容師なんだけど」

サエキさんの奥さんは去年の秋、車を運転中に野原の真ん中に大きなUFO[2]が降りてきたのを目撃する。そして一週間後に小学生の子供を二人おいてどこかに消えてしまった。家を出るまでの一週間、サエキさんの奥さんは誰の顔を見てもUFOの話しかしなかったという。

店を出ると、三人は近くにあるラブホテルに入った。

脚注[編集]

  1. ^ FICTION UFO IN KUSHIRO BY HARUKI MURAKAMI. March 19, 2001The New Yorker
  2. ^ 村上は「UFOについての省察」というエッセイをかつて著したことがある。そこで次のように書いている。「先日はある女の子に『ハルキさんはUFOも見られないからダメなのよ』という意味のことを言われた。(中略)小説家としてやっていくにはUFOのひとつくらい見ておかねばならないのかもしれない。UFOか幽霊くらいちょっと見ておくと、芸術家としてのハクがつきそうである。酒場の話題にもなる。」(『ランゲルハンス島の午後』、新潮文庫、59頁)

関連項目[編集]